第11話真昼の庭

 真昼の、ステラの家の外。

 剣と剣が当たる音が響いた。

「ずいぶん上達しましたね。」

「ありがとう、アリナ。あとは邪気が見えるようになればいいんだけど……。」

 私と咲香は剣をしまい、その場に座った。

 すると、岩に座って見ていた姉上が立ち上がり、こちらに寄ってきた。

「咲香。お前はスウォラが見えている。いつか他の邪気も見えるだろう。」

「……確かに。姉上の言う通りですよ!」

 咲香は立ち上がり、ガッツポーズをした。

「皆さあん。」

 そこに、ステラが茶菓子を持ってやってきた。

「お茶にしませんか?」

 その瞬間、咲香の足元から黒い穴ができた。

「……え?」

 視界が真っ暗になり、思わず目を閉じる。

「アリナ?」

 目を開けると、辺りは小さな見たことのない町だった。

「ここ、日本だね。」

 隣には咲香、私の前には姉上。その近くにはスウォラ。

 咲香は何やらポケットから小さな箱を取り出し、その箱をいじり始めた。

「んー、ここどこだろ。GPSが……。」

「ジーピーエス?」

 姉上は首を傾げながら、箱を見つめた。

「……あの。」

 前を見ると、一人の女性が立っていた。

「……どうか、しましたか?」

 その女性の後ろには、見たことのない大量の邪気が漂っていた。

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