第10話スウォラの夜

 真夜中、目が覚めた。

 ボク……スウォラは、外に出るとサフィアがいた。

 サフィアが気付くように足元に行ったら、膝の上にのせられた。

 「オレよりも剣士の才能があるのは、妹だ。」

 ボクはサフィアを見つめた。

 でも、ボクは知っている。

 彼女はたくさんの邪気を殺していることを。

「よし、オレは戻るぞ。」

 サフィアはボクを岩の上にのせ、家の中に入っていった。

 ボクは夜空を見つめた。

 満天の星と、青白い月。ボクの仲間が殺された日も、同じような空だった。

 邪気……特にボクのような邪気は、長く生きられる。

 まだまだ続く自分の人生を考えると、ちょっとつらくなった。


 頃合いになったら、ボクの故郷に行こう。


 そして、ボクは。


 リル女王の生まれ変わりを。


 教えてあげようと思った。

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