私はどれなのだろう
私はどれなのだろう。私はどれなのだ。
私自身は私自身を指し示すことさえない――ひとりである私の一人称は実効性を欠いており、私は決して私を見つけだせない。
それにもかかわらず私は私を私と書きつける。私がひとりなのは世界には私のほかにはなにもないからではなく、ただ私がひとりだからであり、私でないあらゆるものたちがたしかに私でないかぎり、すなわち世界が世界であるかぎり私は私を私と書きつけねばならない。私はそのようにして私を指し示す――私を直接指し示すことなしに。私は私を世界のどこにも見いだせないがゆえに私なのであり、まさそのような方途によってのみ私は見いだされる。
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