第2話 恋
私は、水無月恋。
裁判官の父が、新潟地方裁判所に転勤となり、家族で、東京から新潟に引っ越してきた。父は、私が受験生だからということもあり、単身赴任をするつもりでいたようだが、私が、家族は一緒に暮らすべきだと主張し、結局、一家での引っ越しとなったのだ。東京の高校であろうと、新潟の高校であろうと、私は、私が為すべきことをするだけ。受験の成功・失敗を、私は、学校の所為なんかにはしない!
★ ★ ★ ★ ★ ★
今日は、転校初日だった。かなり緊張したけど、クラスの女子たちが、積極的に話しかけてきてくれて・・・・、もう友だちもできたことがうれしい。私の座席の前が瞳ちゃんで、後ろが明子ちゃん、で、右隣が麻理ちゃん。左隣は男子で、確か、葛城幻って名前だった。ちょっと、暗めの、ボサボサ頭の子。クラスでも、ちょっと浮いてる存在みたい。女の子たちからも、避けられてる。
でも・・・・。その子の脇を通った時に、なぜか、私の心臓が、ドキンって、一つ鳴った。
でも、まぁ、深く考えるのはやめよう。全然タイプじゃないし。ただ、転校初日の緊張が、あの瞬間、ちょっとほぐれたということなんだろうな。そういうことにしておこう。
とにかく、こんな感じで、新しい土地、新しい学校での生活が始まった。
さぁ、勉強するぞー! 目ざせ、東大理Ⅲ、東大医学部!
新潟から、私が通う南高(新発田南高校)から、行ってやろうじゃん!
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