世界創造
くちくなる
第1話
ネネは気がついたら、何もない空間にいた。
どこもかしこも真っ白で、天井も壁も床もない。
ネネ以外は誰もいない。
右も左もない。
ネネは何も覚えてない事に気がついた。
『ネネ』という自分の名前と、ついさっき死んだばかりという記憶の他に、何も。
どうしよう…。
何があったんだろう…。
しばらくそう考え込んでいた。
「あ、いたいた。お待たせー」
そんな、軽くてふわふわした男性の声が、突然ネネの後ろから聞こえた。
びっくりして振り向いたそこには、襟足の長い明るい茶髪をした、20代になったばかりのような男性。
琥珀色の瞳はヘニャリとしたタレ目で、優しそうというより気弱な印象を受ける。
笑っているせいか、細い明るい茶色のまゆもヘタリとしている。
細い体格で、ネネより少々背が高い。
だいたい167センチくらいだろうか。
空間と同じような真っ白な半袖Tシャツとひざ下のハーフパンツを履いていて、これまた真っ白なくるぶしソックスとスニーカーを履いていた。
顔もそうだが、袖からのぞく腕や足は空間に違和感を抱かせないほどに白い。
白、白、白。
あまりにも色が薄くて、眩しくて、ネネは軽い目眩を覚えた。
男性はネネの目の前まで来ると、よっ!…っと親しげに手を上げる。
この人は誰だろう?
もしかして、知り合いなのかな…?
首を傾げてじっと考えていたら、男性もあれ?と首を捻る。
「キミ、ネネちゃんだよね?今日から新人になったヒト。俺はキミの指導を担当するユート。よろしくー」
これまた軽い感じで出された手を、ネネは恐る恐る握った。
自体を全く把握できていなくて、とにかく戸惑っている。
世界創造 くちくなる @foyclvir8
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