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ウェブ小説について」への応援コメント


  • 編集済

     私の師匠は星新一先生です。もちろん、勝手に言ってるだけで、お会いしたことはありませんが。

     星先生のエッセイなどを読むと、初期のSF作家の苦労が伺えます。
     サイボーグとか宇宙人とか、まずそこの用語から説明しないといけないのです。
     その説明に紙幅を費やし、深い内容の物語が書けないという……★

     なんか、今の異世界転生モノとは正反対ですね。
     日本のSFは、そういうところからスタートし、昭和で終わったような気がします。私は長くSF作家志望であったにも関わらず、平成時代にデビューして活躍したSF作家を1人も知りません。

     カクヨム内で異世界転生のパロディであったり、皮肉っている短編作品をいくつか見て、それ自体は面白いんだけれど、『異世界転生テンプレ』の知識があること前提の作品は書く気がしませんね。
     それって、20年後、50年後、100年後の読者に説明なしで伝わるのかな? と思うのです。今の私たちだけにしかわからない物語ってどうなの? って。
     星先生の作品は、古いものは60年以上前に書かれてますけれど、多くの作品は今でも輝きを失っていないです。
     私はそういう作品を書きたい。さらにいうと、100年後に『タイムトラベル』モノの古典的名作と呼ばれるものを残したいと存じます。
     異世界転生モノで100年後も読まれている名作ってあるでしょうかね〜?

    作者からの返信

     異世界転生モノで100年以上読まれている作品があります。ERバローズの『火星シリーズ』です。ターザン書いた人です。
     魅力的な設定とキャラクターの存在感、小説全体に流れるエネルギー、良い物は全く色褪せません。
     逆に、現在ブームになっている同人誌の延長のような作品は、おそらく一つも残らないと思います。

     星新一先生には僕も私淑しています。
     SFショートショート。実はまだ、ジャンルとして書くことは可能だし面白いものを書くこともできると思っています。
     いつか、一冊分になる作品を書き溜めるのが目標です。(星新一先生には遠く及ばないですが……)
     カクヨムにも4作品のSFショートショートを掲載しています。
     『タイムマシン』『青い地球』『レトロブーム』『数え年』です。
     良かったら、覗いてみてください。
     

  • カクヨムで作品を発表していながら「ウェブ小説」というものをほとんど読んでこなかったので、「ウェブ小説って何なんだろう」とずっと考えておりました。ですがこの考察を読ませていただき、胸のつかえが下りたような気持ちになりました。
    異世界転生というテンプレと二次創作の性質が同じというのは、とてもわかりやすい論旨でした。そう、手っ取り早いんですよね。私自身も過去に二次創作を書いていたことがあるので、よくわかります。
    けれども楽しいのは書いているときだけで、その後はとてもむなしい気持ちになったのを覚えています。借りてきた立派な入れ物に、好きなおもちゃを雑多に詰め込んだだけのような……。
    異世界転生ものがこれだけ市民権を得ていることを考えれば、こうしたテンプレも、うまく使えば魅力的な作品が生まれるのでしょう。そして同時に、それを求めている人もたくさんいる。
    けれども私は入れ物から全て自分で作りたい。やはり「ウェブ小説」ではなく「小説」を書きたいのだ、と気づくことができました。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

     借りてきた立派な入れ物に、好きなおもちゃを雑多に詰め込んだだけ……いいえて妙ですね。
     僕も個人的には、やっぱり小説を書きたいと思っています。

  • 初めまして。
    夏川 俊 と申します。

    Web小説も、音楽や映画・詩などと言った『創作』の一手法だと思います。
    創作である以上、訴えるべきテーマが存在するかと。

    巷に溢れている『異世界モノ』のほとんどには、それがありません。
    「こんなシーンが描きたい」・「こんなキャラに、こんなコトさせたい」etc…
    これは願望であって、テーマではありませんよね?

    しかし、世間では支持され、書籍化もされているのが現実です。
    当然でしょう。 ある程度の販売が見込めるのですから出版社は書籍化します。
    油布 様も指摘されていらっしゃる通り、『良い』・『悪い』ではなく、『必然』です。
    カクヨムも異世界ワールドの増殖には、基本的には関知していません。

    漫画を19年描き、その後、Web小説を始めて17年・・・
    まさに、ジジイのぼやきとなりますが、異世界モノには閉口しています。
    私は、手塚治虫 先生とも関わりを持つ過去がありますが、先生曰く、
    「テーマ無きものは、創作にあらず。芸術とは、ヒトに訴える思考あればこそ、芸術となる」
    これを肝に命じ、コツコツと創作を続けています。

    油布 様は、多くの方とのディスカッションを求められているご様子ですね。
    お邪魔かも知れませんが、参加させて下さい。

    作者からの返信

     手塚先生は、日本人のクリエイターの中で私がもっとも尊敬する方です。その言葉、重みがありますね。

     この話については、私も考察してみました。番外編の『ストーリーとは何か』で、ストーリーとは作者が意図をもって作品世界を編集することによって生まれるとの分析をしています。これが先生のおっしゃるテーマに近いものだと思います。よろしければ、ちょっとのぞいてみてください。

     余談ですが、私が理想とする文体は手塚先生の絵のようなものです。ゴテゴテと飾りたてたわけでもなく、すっきりと見やすいのに、シリアスにも童話にもギャグにも対応できる。あらゆるジャンルを目指した先生だけがたどり着いた境地です。そのような文体を身につけられたらと常に思っています。

  • はじめまして、あさぎ珠璃と申します。自主企画よりお邪魔させていただきました。

    かつて二次創作をしていた者にとっては、まさに目からウロコ、納得のいく説でした!
    共通認識で成り立っているから、そこが理解できないと疎外感を覚えてしまうわけですね。人によって好き嫌いがハッキリ分かれてしまう理由がよくわかりました。

  • 改めてお邪魔します。こちらで「Web小説」と書かれているものは、私は「なろうテンプレ」あるいは「テンプレ」と書いたものと同じかなと思います。

    >投稿された無数の作品の共通部分が一般化され、省略される傾向が発生したのだ。

    >それはほとんど共通の課題であり、ほぼ同じ設定として軽く触れられるか、あるいは無視される。無数の同傾向作品を読んでいる読者の立場からすれば、それはむしろ当然だ。

    これこそ、私が自分で「テンプレを書いてみる」ときに一番苦労したことになります。どこまで書く必要があるのか、どこを省略していいのか。
    その塩梅がわからず、結局テンプレとして不完全なものしか書けませんでした。
    ただ、ここの説明を省略できることこそテンプレのメリットであるというのは、恐らくこのエッセイで学んだ知見かと思います。

    作者からの返信

     過去に読んだ作品の続編、という感覚でいいと思います。

     続編なら雰囲気をつかむための軽いなぞりが必要なだけで、設定の細部を繰り返す必要はないでしょう。ギルドとかダンジョンとかレベルアップとか。その辺の説明を最初から長文でやってしまうとくどいってことになります。

     ロールプレイングゲームのファンがチュートリアルを飛ばすようなものです。

     もちろん、僕はテンプレ小説推奨派ではないので、単なる分析です。

  •  未だWEB小説というものが理解できない私であります。この世界に足を踏み入れて数か月、色々なエッセイや指南書の類の物を読みましたが、よくわかりませんでした。

     そもそも、テンプレって何?
     小説って、どこか他で読んだことあるような話は絶対にダメじゃないの?

     と、公募オンリーだった私はショックを受けた訳です。

     それが悪いことだとは言いませんが、少し寂しくも思えました。
     そこから傑作はでるだろうか?

    作者からの返信

     これはひとつの考察です。
     1年3か月前にカクヨムを始めたとき、僕もワケがわからず悶々としていました。
     それから色々なエッセイを読み、他のカクヨム作家の人たちとも知り合って、半年くらい経った頃にまとめたのがこの評論です。

     これが絶対の結論と思っている訳ではありません。興味や疑問を持っている方と一緒に語り合えたらいいと思っています。

  • なるほど!
    二次小説≒異世界テンプレート

    非常に納得したのと同時に、目から鱗でした。府に落ちた!
    ありがとうございます!

    作者からの返信

     感想をありがとうございます。

     実は小説から長い間離れていたので、初めて異世界テンプレを目にしたときは驚きました。だからこそ、そう感じたのかもしれません。

  •  そうでした。そうでした。
     BL人気の勢いで次々とオリジナルBL商業誌が刊行され、二次創作で大手と目される作家さんたちがスカウトされて行きました。小説メインの雑誌にも字書きさん方が流れていきました。
     正直、いいのか? って疑問を感じたのは、同人誌で発表したのをキャラクターの名前をオリジナルに付け替えただけの物。話の筋もオリジナル展開の作品ではあったけどキャラの人気ありきだったわけで、こんな使い回しってあるだろうか、と衝撃でした。

     二次創作の元ネタありきの共通認識が、異世界物のテンプレ、お約束になるわけですね。私みたいな昔の人間には分かりやすいです。

    作者からの返信

     僕は歴史好き33なので、歴史の視点で考えました。
     現状の分析や未来の予測にもっとも有効なのは、過去の類似事例にあたることです。
     これってマンガの世界で一度あったことじゃないか。
     そう思ってこれを書きました。