3 ワケ
少し間を置いて美咲は口を開いた。 美咲「こんなことを他の人に話すのは初めてなんだけど……」 小春「いいよ。どんなこと言っても受け止めるから」 美咲「ありがとう。実は、なんというか…あんまり親との関係がうまくいってないんだよね……」 小春「意見がかみ合わないとか?」 美咲「いや…そんなことじゃないよ。なんか温度差があるみたいな感じで。」 バタン!小春がうなずく前に部屋が開いた。その向こうに立っていたのはもちろん、湊だ。 小春「あ、遅かったね湊。」 美咲「湊くんさっきは大丈夫だった?」 2人同時で、しかも反対の回答に湊は一瞬とまどった。だが、どこか張りつめた空気のなかで1人だけつったってるのは、不自然だと思い座った。 湊「それで、親とあんまうまくいってないのかな。」 美咲「え。なんでそれを…」 湊「廊下で盗み聞きした」 小春「あんたじゃなかったら、軽く説教してやったわ」 湊「とにかく、なんで上手くいってないのか知りたいんだよ」 軽く無視されてスネている小春を横目に見ながら、湊はそういった。 (あいつ、怒ってるな) 美咲「うん分かった。たとえば、参観日とか私の母親っぽい人っていなかったでしょ」 湊「いや、いたぜ。髪を栗色に染めててポニーテールできつく縛ってた人」 小春「それ私のお母さんだよ」 この場を和ませようとする思考が理解できなくて小春は少し、ムッとした。
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