2 恋バナじゃないの。

湊「ここがどこだか知ってる?」                       美咲「『悩み解決屋』でしょ?あ、もしかして場所間違えた?」         湊は、美咲の淡々な答え方に少し困惑しながらこう答えた。           湊「いや、美咲ってなんか明るいイメージあるし、それになんk……グハッ!」  突然、湊の背中を殴りつけたやつが誰かを湊は知っていた。小春だった。そういえば、小春は空手を習っているんだった。                    湊「ちょっと、トイレ行ってくる………。」                  湊は自分の背中を抑えながらトイレに向かった。                小春「どうしたんだろ。あんな、顔引きつって。」               (グッ…。小春あとで覚えとけよ。)                      小春「あ、そんなことよりも早く入って。廊下暑かったでしょ」         美咲「う、うん。そだね。じゃあ入るね」                   美咲は秋の早朝みたいにひんやりとした、室内に足を踏み入れた。そして、二人は長机をはさんで、パイプ椅子に腰かけた。                    小春「それでー?美咲の悩みは何なの?最近はいつも以上に男子の視線が、美咲に集まっているから困るとか。」                         美咲「いや、違うよ。」                           小春「じゃあ、生理?」                           美咲「違う。」                               小春「うーん。じゃ何?」                          美咲「言いにくいんだけど、『家族』のことでちょっと…」“家族”この手の悩みは、やっかいなものだと、小春は心の中でそう思った。そして、ゴクリとつばを飲み込んだ。

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