とある小学生たちの悩み解決日誌

麦直香

自分の居場所

1 悩みは突然くる

午後4時の校舎内は、早朝のようにしずまりかえっていた。しかし、3階の端っこにある空き教室だけは、少しだが、声が聞こえた。                湊「ねぇ、小春。」                             小春「どうせ、暇だなぁとか言うんでしょ。」                 ギクッ。まったく。幼馴染の勘は鋭いものだなと、湊は痛感した。俺たちは毎日こうして、空き教室にいるが今日は5時間授業のため、特別にひまだ。もちろん、俺らは家に帰るのが嫌とか、そういうしょうもない理由でいるんじゃない。同級生の悩み相談を受け付けるためだ。だが、来ない。同級生の性格が明るすぎて「悩み」という存在すら知らないのか、自分があまりにも影が薄すぎて、認知されてないのか分からない。                                    そんなことを考えていたら、外の楽器の音が鳴りやんだ。            小春「外が無音になったってことは、音楽クラブの練習が終わったってことか。そろそろ、かーえろ。」                             湊「そうだな。これで、小春に先生への愚痴を聞いてもらうことができる!」   小春「私はパス。」                             そんなことを言いながら、ドアを開けると雲のように純白な性格をしてそうな美少女が立っていた。わかりやすく言うと、「学年きってのマドンナ」と男子からささやかれている倉本美咲がいたのだ。

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