とある小学生たちの悩み解決日誌
麦直香
自分の居場所
1 悩みは突然くる
午後4時の校舎内は、早朝のようにしずまりかえっていた。しかし、3階の端っこにある空き教室だけは、少しだが、声が聞こえた。 湊「ねぇ、小春。」 小春「どうせ、暇だなぁとか言うんでしょ。」 ギクッ。まったく。幼馴染の勘は鋭いものだなと、湊は痛感した。俺たちは毎日こうして、空き教室にいるが今日は5時間授業のため、特別にひまだ。もちろん、俺らは家に帰るのが嫌とか、そういうしょうもない理由でいるんじゃない。同級生の悩み相談を受け付けるためだ。だが、来ない。同級生の性格が明るすぎて「悩み」という存在すら知らないのか、自分があまりにも影が薄すぎて、認知されてないのか分からない。 そんなことを考えていたら、外の楽器の音が鳴りやんだ。 小春「外が無音になったってことは、音楽クラブの練習が終わったってことか。そろそろ、かーえろ。」 湊「そうだな。これで、小春に先生への愚痴を聞いてもらうことができる!」 小春「私はパス。」 そんなことを言いながら、ドアを開けると雲のように純白な性格をしてそうな美少女が立っていた。わかりやすく言うと、「学年きってのマドンナ」と男子からささやかれている倉本美咲がいたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます