第6話 榊原's view

 ……………………………………………………

 おやおヤ?あらリャ?あの子だぁレ?

 なまえもないコ?知られてないコ?

 きけン?きけン。

 はやク、とめなキャ!

 ……………………………………………………


 なっ……!?

 アイツっ………!

 何故………この世界に来られたっ!?

 自由に世界を行き来できるなんて……!

 しかも、あの制服………有由斗あゆとと同じってことは、ずっと前から見張ってたのか!?


 しまった!そんなことよりも、

 早くしないと!

 有由斗が、アイツに!!


 全くの誤算だった。

 僕が、僕が子羊を誘導するウルフになるはずだったのに……!!


 あの女の子が自殺するのは分かってた。

 その場に有由斗が居合わせるのも知ってた。


 だから、丁度ちょうど良かったのに。

 一緒に、「Wonder Mind」に行こうと思ったのに。


 放課後のお誘いに来てくれなかった。

 やっぱり、君は特別なんだね。

 普通だったら、僕の魅惑で騙されちゃうのに。

 …あと、古田こだって奴が運悪くあの場にいたのが惜しかった。

 逃げ道を作ってしまった。


 まぁ、古田のお陰で、有由斗が

「Wonder Mind」に行きやすくなったんだけどね。

 その辺は感謝しなくちゃ。

 僕の予定では、あの女の子だけ死ぬはずだったんだけど。


 より思い入れが強い方が、有由斗にとって、「Wonder Mind」へ行きやすくなる。

 古田は友達だったみたいだから、余計に刺激されたみたいだね。


 でも、とりあえず、あの男が誰か分からないけど、「Wonder Mind」に連れていってくれた。

 それに、多分、有由斗に危害を加えないだろう。


 あとは、僕が、奪い返すだけ。


「あははぁっ!」


向こうで君に会うのが楽しみだ!

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