第4話 Another View

……………………………………………………

―あらあラ?あの子ふられちゃっタ?きてくれなかっタ?どーするノ?どーなるノ?―

……………………………………………………


…誘いだせなかった。やはり、彼には僕の魅惑も効かない。

「…。」

あの男…有由斗と一緒にいた男。

一瞬、僕を睨んだ気がした。

…疑わしきは罰するか…?

…シープを護るために。


雲行きは、より一層怪しくなっていた。


――――――――――――――――――――


やっと。やっとだよ。

君が覚醒かくせいする。


舞え、俺の体。

紅く、染まってくれ。


ゆっくりと遠のいていく、有由斗の顔は、おかしくて仕方がなかった。


そりゃ、驚くぜ。

友達が死ぬんだもん。


「こッ」


その瞬間。有由斗が手を伸ばしてくれた。


ああ。

有由斗。

手を伸ばしてくれるんだ。

ありがとう。

手を伸ばしてくれて。


俺は、透明にした尻尾で、有由斗の手をはじく。


有由斗が、傷つかないように。


向こうで会おう。アリス。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る