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「俺達もう一度歌えるのか!?」


 セガとナギが歓喜の声を上げた。


「ナギ、エルフの魔術師に逢わせてくれないか」


「……パギに?パギは常にエルフ王の傍に仕えている」


「エルフ王か……。直接逢うしかないな」


「やめた方がいい。タカはアギ王女との婚約を破棄したんだ。エルフ王は、そのせいでアギ王女がリルクとの恋に走ったと勘違いしている。タカはエルフ王に逆恨みされてるんだよ。わかってる?

 それに……ナイトを猫に変えたのだって、僕を昏睡状態にし眠らせたのだって、僕達が勝手に地球に行ってしまったことが原因で、国王やエルフ王を怒らせてしまったのだから」


「わかってるよ。だけど、ナイトをこのまま猫の姿にしておくわけにはいかないだろう。エジソン大元帥とレオン大佐はどうした?もう魔術は解けたのか?獣族軍はどうなったんだよ」


 ナギとセガが顔を見合わせる。


「獣族と勝手に結婚したイギ王女を、エルフ王がそう簡単に許すと思う?」


「……まさか?まだ……」


「エジソン大元帥はイギ王女の夫であり、レオン大佐はSPのように警護をしている。神の御前で結婚の誓いを交わした二人を、エルフ王も引き裂くことは出来なくてね。イギ王女の計らいで、あの二人は元の姿に戻ったけど、ギダ殿下とアリーシアを殺めた罪は免れない。彼らは生涯エルフの森から出ることは許されないし、獣族の誇りである獣耳も尻尾も罰として斬り落とした。再び反乱を起こせば死刑は免れないだろう」


「……獣耳も尻尾も!?」


「魔術師が二人をエルフに変えてしまったんだよ。それに、地球で人間に傷を負わせたゴーラル少尉は終身刑となり、獣人の知能は奪われ野生のゴリラの姿に変えられ動物園の檻の中だ。国王に楯突きホワイトメイディ城を攻めた獣族軍の兵士は進化する前の動物の姿にされ、森に放たれている。知能レベルも動物に戻され、もう銃を持つことはないだろう」


「……そうか」


 ナギと話をしていると、背後から明るい声がした。


「タカ王子ではありませんか!?」


「アギ王女、ご無沙汰しております」


「いつ王国に帰還されたのですか?このお嬢様が……タカ王子の恋人?まぁ、私達によく似ていること。ナギと姉妹と言っても過言ではありませんね」


「姉さん、僕は男です。姉妹って何ですか」


「うふふ、そうでしたね。ナギが一番ティアラが似合いそうなのに残念ね」


「姉さん!」


 ナギは顔を真っ赤にして、怒り心頭だ。




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