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 ◇


 ―ホワイトメイディ王国―


 俺達はペガサスに乗り、ホワイトメイディ城を目指す。


 眠っていた優香が、ペガサスの背で突如目覚めた。


「……きゃあああ!!えっ、あ、あのペガサスが巨大化してる!?ま、まさか、本物のペガサス!?」


「うわ、わ、優香、暴れるな」


 バタバタと暴れる優香を落ち着かせるために、俺達はエルフの湖畔に立ち寄ることにした。


 コバルトブルーの湖。湖畔には色とりどりの花が咲き乱れ、小鳥が囀る。優雅で平和の楽園。


 優香にそっくりなエルフの姫が、湖畔で日なたぼっこをしていた。その数は一人……二人……三人……。

 カラフルなドレスを身に纏った七人の姫。


「……わ、わたしが沢山いる!?えっ?これは夢なの!?」


「優香、落ち着いて。みんなナギのお姉さんだよ」


「……ナギさんのお姉さん!?」


 エルフの姫を傍にはべらせ、横になっていた男がムクッと起き上がる。


「わ、わ、タカ!ナイト!いつ帰還したんだよ!」


 エルフの姫をはべらせハーレムを楽しんでいたのは、セガだった。


 まったく、呑気なものだ。

 人族でありながら、エルフの湖畔で我が物顔に暮らしてるなんて、呆れてものも言えない。


「タカ!ナイト!」


 高い木の上から声がし、クルクルと空中を回転しながら地面に降り立ったのは、ナギだった。


「ナギ!元気だったか!」


「元気だよ!逢いたかった!」


 ナギは俺やナイトに抱き着く。


「優香さん、ようこそエルフの湖畔へ。ここは僕達の楽園だよ」


「……ナギさん。お久しぶりです。これは現実なんですね。夢じゃないのね」


「はい。ここは地球ではありません。地球の人間を先祖に持つ人族がこの国の国王で、タカもセガも王族の一人です。ナイトは獣族なんだ。今はタカに仕える執事だけど、先祖はこの国の国王だった。僕はエルフの第一王子だよ。女の子じゃないからね」


「……ナギさん。私とそっくりなのに王子様なのね」


「タカもこの国の王子だよ」


「……矢吹君が、この国の王子様!?」


「信じられないよね。でも、本当なんだ。みんなよく聞いてくれ。俺は王位継承は放棄する。ホワイトメイディ城に戻る前に、ナギとセガに大切な話があるんだ」


「僕達に……?」


「ナイトを元の姿に戻したい。そのために力を貸してくれ。もう一度四人で再結成しないか?」


「再結成……?」


「異世界ファンタジーだよ。俺達、もう一度、歌えるんだ」

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