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 ゴーラル少尉は憤慨し、ナイトの顔面にストレートパンチを放ったが、ナイトは上体を屈め、下から突き上げるようにアッパーカットを浴びせた。


 ドスンッと大きな音がし、砂埃が舞う。

 ナイトは銃を奪い、ゴーラル少尉を後ろ手に縛り上げ、ニヤリと口角を引き上げた。


『行こうぜ。反乱軍とはいえ、同じ獣族だ。出来るなら殺めたくはないが……、そうはいかないみたいだな』


 衛兵に発砲され、ナイトは仕方なく引き金を引く。致命傷となる頭や心臓は避け、足や腕を狙った。


 闇の中で血飛沫が舞い、被弾した衛兵はバタバタと地面に倒れた。ナイトは奴らを次々と後ろ手に縛り上げ、武器を奪い銃を俺に渡した。


『ほらよ。自分の身は自分で守れ!敵は数え切れないほどいるぜ』


 塀の上から迷彩服を着た何十体もの兵士が飛び降り、俺達を襲った。


 俺達は銃を乱射しながら敵を倒し、要塞の内部へと進む。


「何体いるんだよ……」


 オランウータンやゴリラ、チンパンジーやテナガザル、兵士の殆どは類人猿だった。


『タカ、先に行け!エジソン大元帥は司令部にいるはずだ!』


「ナイト……」


『優香を救い出せ!さもなければ、俺がもらうぞ!』


「お前に優香は渡さねーよ!あとは任せた!」


 ナイトに警護されながら、俺はコンクリートで作られた要塞の奥へと進む。ナイトは要塞の入口で激しい銃撃戦となる。


 司令部を探していると、何かが上部から飛び降りた。それは獣耳を持つ人影となり、側頭部に銃口が向けられた。


『タカ王子、そこまでだ』


 不気味な声に視線だけ左に動かすと、そこには黒い軍服を着用したアメリカンショートヘアが立っていた。


「お前が……エジソン大元帥か」


『俺はレオン。午前零時五分、すでにタイムリミットだが、これからエジソン大元帥の挙式が執り行われる。招待客が間に合ってよかったよ。さっさと歩け!』


 エジソン大元帥の挙式?

 招待客?


 一体、何のことだ……!?


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