【5】リングの秘密? 摩訶不思議。

優香side

24

 ―日曜日―


 せっかくの休日、朝寝坊という至福の時に、よりによってかめなしさんに起こされる。


『優香、起きろ』


「……んふぅ、寝かせてよ……」


『そんな声出すなよ。優香の寝顔、超可愛いいなぁ。キスしたくなる』


 顔に生温かい息がかかり、私は飛び起きる。


「うわわっ!どうしてここにいるの!?ま、まさか、キスしてないよね?やだ、してないよね?」


『やだって、何だよ。いけね、忘れてた。優香に俺の声が聞こえてるんだった』


「……まったく、油断も隙もないんだから。猫の姿に戻るまでベッドで添い寝禁止だからね。私に変なことしないでよ」


『またかよ。添い寝禁止、チューもハグも禁止。それは、男盛りの俺への拷問か?』


 かめなしさんがふて腐れた顔でベッドから飛び降りる。怒っているくせに、ちゃんということは聞いてくれるんだね。


 布団の中からモゾモゾと手を出して目覚まし時計を掴む。もう午前十時なんだ、そろそろ起きようかな。


 今日は美子とショッピング、そのあとカラオケに行く約束をしたんだ。


 何を着て行こうかなぁ。

 美子はお洒落だし、大人っぽいから差がついちゃうよ。


 ベッドから下り、クローゼットを開ける。洋服を見たところで、もともと大人ぽいデザインなんて一着もない。


『何だよ?ま、まさか、デートなのか!』


 意味不明にかめなしさんが憤慨している。


「違うよ、美子だよ」


『なんだ、美子か。美子なら普段着でいいだろう』


「原宿や渋谷に行くんだから。普段着じゃちょっとね」


『優香、一度聞こうと思ってたんだ。恵太と本気で遠距離恋愛してんの?俺というものがありながら、堂々と浮気するなんてありえねーぞ。さっさと別れろ』


「別れるもなにも。恵太っから最近メールも電話もないしね。警察官になってから、連絡ないんだ」


『ふーん。ヘタレな恵太が警察官だなんて。信じらんないよ』


「同感。きっと仕事が忙しくて連絡出来ないんだよ」


 恵太と私は遠距離恋愛?

 これが恋愛といえるのかな?


 身支度を整え、自宅で美子を待つ。


 最近車を購入した美子が、自宅まで私を迎えに来てくれた。


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