第5話 家族

時折、不思議な夢を見ることがある。といっても、夢は大体不思議なわけだが、何が不思議なのかは、うまくいえない。


公園のベンチやらで雑魚寝してたら、僕のもう一人の兄が出てくるという夢を見た。その人は、現在は古びたアパートで一人暮らしをしている、というものだった。 家の中は汚くて、ファミコン?のソフトが散乱していた。


「どうして家出なんてしたの?」と、僕が尋ねたら、彼は悲しそうな顔をしていた。でも、どうして僕が、その人を「もう一人の兄」と、認識したのかは、謎だった。


、、、という内容だった。


一気に幼かったころの記憶が蘇った。それは昔の実家に住んでいた養子の兄である。その実家はとり壊されてもうない。しかも、兄は、、、、母親は兄のことが大そうお気に入りだったらしく、その後に生まれた兄(次男)の弟、つまり三男の僕に、養子の兄と同じ「S也」という名前をつけたのだ。ということは、この世にもう一人の僕がいる!


ちなみに、養子の兄の行方は、、、どこにいるかわからない。母親にも、このことは話したことがない。

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