4話の食事のシーンを詳しく書いたよ。(みたいひとだけみろ)

1


「さーてと。」

「?」

「皆さん、“食事”の時間ですよ。」

「ふう。やっとたべれるんですのね。」

「おなかペコペコだよ!早く食べさせて!」

「は、はやくしてください!」

「嫌だって言うんでしょ!別に、あなたの肉なんか食べなくても良いわよ。わたしは食べたいけどね!」

「はいはい。ほら。」

かばんは、鞄の中からナイフを取りだした。

「ひっ! なんなのそれ!」

「だから、切り取る道具ですよ。」

「あ、なんだ。そうなのね。」

続いてかばんは、鞄の中からフォークを取りだした。

「ひゃっ!……それは何なの?」

「切り取ったものを、口に運ぶ道具です。でも……」

かばんはあたりを見渡した。

「あなた方はヒト化しているので、生で食べると食中毒になる危険がありますね。」

「しょくちゅーどく?」

「なんなのそれ。」

「まあ、一種の病気です。それになると死に至る場合もあるので。……そうですね。皆さん、枝を持ってきて下さい。」

「なんかよく分かんないけど。分かった。それまでかばんちゃんは気を付けてね。」

「はい。分かりました。」


2


「かばんちゃん、持ってきたよ。」

「あ、ありがとうございます。では……。」

そう言ってかばんは木と木をこすりあわせた。

数分後。

ボウッ。と、火がついた。

「きゃっ!何!?」

「そっか。皆さん、火が嫌いなんでしたね。」

「それ、火って言うの!?怖いからどっかやってよ!」

「もう! これがないと、お肉は食べれませんよ!」

「ええっ! ……わかったよ。」


3


「では、そのナイフをつかって、ボクの腕の肉を切り取って下さい。」

「はーい!」

「あ、でもその前に、フォークで肉を刺してくださいね。」

「はーい!」

ブスッとフォークがかばんの腕に刺さり、ザクッ!と、刃が入る。

「あ”……っ!/// ああっ!///」

「かばんちゃん大丈夫!?」

「いえ……。大丈夫です。気持ち良いです。」

「そ、そういうのをマゾってゆうんだよね。」

「ブッ!!!」

「ちょ、シマウマ!」

「なんであんたがそんなことしってるのよ!」

「はあ、はあ。ではそれから、その肉を、火に掛けて下さい。」

「う、うん。」

「……。」

「……。」

「……。」

「……。」

「……ねえかばん、まだなの?結構時間経ったみたいだけど。」

「そろそろ手が熱くなってきたよ。」

「まだです。あと10秒 。」

「そうなの。」

「分かりやすいように、カウントしますね。……8、7、6、5、4……」

「あちちち! かばんちゃん! 手が熱いよ!」

「……1、0。サーバルちゃん。食べていいですよ。」

「あちっ、あちちっ。ふーっ。ふーっ。」

そしてサーバルは、パクッ。とその肉をかじった。

「おいしーい!」

「良かったです。」

「でもなんか足りない気がする。」

「なら……。あっ、サーバルちゃん、鞄をこっちに。」

「う、うん。」

「えーっと。あ、これだこれだ。」

かばんは、鞄からアジシオを取り出した。

「ちょっとだけ、これをかけてみて下さい。」

「うん。」

そしてサーバルはその肉にアジシオをかけた。

「それじゃあ、食べてみて下さい。」

「あ、うん。」

サーバルは再び肉をかじる。

「……! なにこれ! なにこれなにこれ! 美味っし~い!」

「どうですか。皆さん。食べますか?」

「食べますわ。」

「た、食べます。」

「も、もちろん食べるに決まってるじゃない。バカじゃないの!」

そしてかばんの快楽と皆のご馳走は続いた。


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