ありがとうは伝染するってほんと?

本当、だと思います。


大人になると職場でも職場以外でも、何かをしてもらった時に、ついありがとうの代わりに「すみません」を言うことが多くなります。そちらの方がより「大人らしい」感じもするからです。


ただこれをあまりに多用すると、違和感が出て来るんですよ。「事実はそうではないのに、自分が謝っている」感じが半端じゃなくなるんですね。特に職場で、部署で自分が下っ端の場合、上司や先輩に業務上で何か助けてもらった時にお礼代わりに「すみません」を言い続けていると、上司たちに「謝り続ける私=できない奴」というレッテルを貼られる気がします。もちろん上司達に悪意はありません。が、謝意とも謝罪ともとれる「すみません」を言い続ける事で、「すみません」がいつの間にか、より謝罪の言葉として受け止められていく感覚がするのです。


何となくその危険性に気付いた私は、部署異動してからは積極的に「すみません」の代わりに「ありがとうございます」を使うようにしました。もちろん、自分がミスを犯した場合はきちんと「すみません」で謝ります。お礼を言う時はすべて「ありがとうございます」に変換するようにしたのです。

そうする事で必要以上に「すみません」と謝りに聞こえる言葉を使わない事で、ただでさえ初めての部署、初めての仕事で日々肩身の狭い思いをしていても、それ以上委縮する事はありませんでした。


それどころか、思わぬ副産物があったのです。ここでやっと主題に入るのですが、私が入った当初は、私が色々手助けしてもお礼を言わなかった上司や先輩たちが「ありがとう」と言うようになったのです。


もう、初めて言われた時は本当に嬉しかったですね。と同時に、友人Aの話は本当だったと思いました。

元々、「ありがとうは伝染する」説を唱えたのはAでした。Aのお父さんは典型的な亭主関白タイプの人で、家族には威張り散らすタイプだったそうで、Aは尊敬できなかったそうです。当然親子の会話も少なかった。しかしAは偉い。「他人は変えられないから自分が変わろう」と、自分から積極的に「ありがとう」を父親に言うようにしたのです。そうすると日数はかかりましたが、いつの間にか父親も「ありがとう」をまずAに言うようになり、他の家族にも言うようになり、遂には家族への態度が氷を解かすように徐々に徐々に柔らかいものに変わったそうです。


それを聞いて、私は家族仲は元々良好でしたが、「ありがとう」を家族に多く言うようにしたら、まー、家族皆で「ありがとう」を頻繁に言い合うようになり、ますます仲は良くなりました。


「ありがとう」は伝染するし、人間関係は本当に円滑になります。ぜひお試しを。

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