セノーテの夜

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Subject　Re7　無題

ユカさん

この間のメールはひどいことを書いた。

君のプライベートに対して批判がましいことを言った。

君だって、何年も悩んだだろうし、なにか事情があったんだよね。

こんな風に思いやりがないから婚約までした彼女に振られるんだな。

本当にごめん。

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Subject　Re8　無題

大丈夫よ。

返事が遅れたのは仕事が忙しかったから。

想いを伝えなかったのは、同じ職場の人で上手くいかないと後がやりにくい、ってことももちろんあったけれど、何より勇気がなかったから。

告白していればよかった、って後悔することもあるけれど、

しかたのないことよね。

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Subject　Re9　無題

俺たちは婚約していた。

だから俺の転勤が決まったとき、当然彼女が退職して付いてきてくれるもの思っていた。

それを前提に一方的な行動をしたことに、呆れられてしまったんだ。

彼女だって真剣に仕事をしていたのに。

責任感が強くて、プライドが高くていつも前向きな人だった。

でも本当はそれを理解できていなかったんだ。

男尊女卑以前の問題だ。

俺は自己中心で自分勝手だった。

それがわかっただけでもよかったのかな。

少しは改められるといいなあ、と思っているからね。

今考えても俺がひどかったんだ。

忘れもしないクリスマス。それまでに結婚しようという約束はしていたけれど、その日正式にプロポーズして、クリスマスプレゼントと指輪を渡すつもりだった。

少し高級なレストランを予約してあって、その十五分前に駅前で待ち合わせをしていた。

でも彼女はなかなか来なかった。期待のぶんだけ苛立ちも大きかった。

特にその一週間、彼女はずっと忙しくて、会えなかったし、俺がメールをしても短い返事が来るだけでそれも俺の苛立ちを増幅させていた。約束の時間を三十分以上過ぎてようやく彼女はやって来た。

『なんでメールも電話もしないんだよ』って俺はいきなり彼女を責めた。

『どうしても仕事が終わらなかったの』

『今日は大切な話があるっていったろ』

『だから仕事だったのよ』

『いいじゃないか、今日くらい。どうせ辞めるんだし』

『それ、どういうこと？』　それっきり気まずくなっちゃって。

俺って馬鹿だよね。サイテイだ。