第4話
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Subject Re3:無題
佳宏さんへ
情けないなんて、そんなことはないわ。
別れたとたんさっぱりと忘れてしまうなんて、たいていはできないわ。
いつまでも心のなかに小さな痛みが残る。
何年もたって、その人の面影が薄れてもその切なさはだけは忘れない。
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思わず心の内を書いてしまった。
現実の知り合いには決して言えないようなことだった。
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Subject Re4:無題
優しいんだな。
それとも君も辛い失恋をしたことがあるのかな。ごめん。立ち入ったことだね。
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Subject Re5 無題
失恋、とはいえないかも。
終わったともいえるし、少し形を変えて続いているともいえるわ。
ある人をずっと好きだったの。
何年も何年も。でもその人は,、おそらくそれを知らない。
わたしが勝手に思っていただけで、親しい友人とも言えなかったから、その人の内面をどれくらい知っていたかはわからないけれど。
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Subject Re6 無題
どうして告白しなかったの。
だめもとでも行動しなければ、何も始まらないよ。
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どきりとした。そう、わたしはあの人の内面を、本当のあの人を知るのが怖かったのかもしれない。
なにも、始めたくなかったのかもしれない。
舞子は舌に軽い苦みを覚えた。
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