211 混合チームで出発!
シルバーソードの彼らは、リアルで用事があるらしく最奥の部屋に行かず帰って行った。
最奥の部屋には、前回と同じく多くのミイラ化した遺体と、血の入ったビンが多数あった。一応血の入ったビンは回収しておく。何かに使えるかも。
宝箱は三つで、催眠の錫杖、ダンタリオンの印章、エナジーキューブだ。
催眠のステッキ ジェントルマンが持ってそうな杖だ。催眠効果があるみたいだが、使い道がない。お蔵入りだな。
ダンタリオンの印章 以前、べリアルにも貰っているな。使い道不明。
さてと帰りますかね。
朝食を取った後、レイアに今日の予定を聞いてみた。
ノインスの孤児院と冒険者ギルドも順調に動きだしているということで、今すぐにやらなくてはいけないことはないそうだ。
なので迷宮に誘ってみた。魔法(聖)をスキル珠で取得したがレベル上げをしていない。魔法(聖)には強力な回復魔法や蘇生魔法がある。上げておいて損はない。
「相手はアンデットだからやりやすいと思う。ゾンビ系は出ないし」
「ほう。では、何が出るんじゃ」
ファル師匠がなぜかのってきた。
「ヴァンパイアです」
「強いのか?」
「中ボスのヴァンパイアは強いですね。迷宮内にいるのはレッサーヴァンパイアなので、たいした敵ではないです」
「
「リンネたちですか? ちょっと厳しいのでは?」
「儂も一緒に行く。安心せい」
ということで、大所帯になりそうだ。
ニーニャとミーニャはメイド隊と一緒にケットシーの里に行ってもらおう。さくらは迷宮探索組だ。フフフ……根こそぎ頂くぜ。
ゼータもケットシーの里に行きたそうにしていたが、お留守番だ。目に涙をためて訴えていたが、却下。
オールもアイントンさんの所に行くそうなので、連れて行かない。デルタは連れて行こう。
朝練の時にリンネたちに話すと、ビビってた。特にムウちゃんが……。ファル師匠が厳しい目つきをしている。もしかして、これが狙いなのかな?
「俺も連れてけ!」
「嫌ですよ。自分のクランの攻略組と行けば良いでしょう」
「なあ、頼むよ。俺にも楽しませろよ。ルークちゃん」
「わ、わかりましたから、その気持ち悪いのやめて、セイさん」
「よし、言質は取ったからな!」
「なら、俺も行くかな。光の魔剣持ってるし」
結局、セイさん、ニンエイさん、ダイチ、更紗さん、にゃんこ共が行くことになった。他メンバーはアンデット嫌いで行きたくないそうだ。あみゅーさんが涙目で震えていたのは斬新だった。前になにかあったのだろうか?
にゃんこ共も行きたくないと喚いていたが、ファル師匠に一喝されおとなしくなっよ。
更紗さんはレッサーヴァンパイアをテイムしたいそうだ。正直、俺もそのつもりだったのに忘れてたな。
ニーニャとミーニャ達をケットシーの里に送ってから、みんなと合流し出発。
流石にメンバーが多すぎるので二つのパーティーに分けた。
ファル師匠にデルタ、リンネたち、にゃんこ共、エターナ、ほーちゃん組、ミケとエターナが魔法(光)を持っているので問題ないだろう。ファル師匠とデルタがいる時点で鉄壁だけどな。
そして俺にレイア、セイさん、ニンエイさん、更紗さん、ダイチ組、結構良いパーティーじゃないか? 盾役にダイチ、前衛にセイさん、ニンエイさん、オールラウンダーな更紗さん、後衛に俺とレイアがいる。
二つのパーティーで別々に探索して、洋館を見つけたらチャットで知らせることにした。
全員を連れ四十七階の洋館前に転移。洋館の後ろに四十八階に続く階段が出現している。
降りる前にちょっと試したいことがある。
更紗さんにモフモフされているウサギの格好のさくらに、
「さくら。この建物キティバックに入らない?」
「ミャ~?」
更紗さんからさくらを受け取り、建物に近づくと基礎ごと建物が消えた。地下に続く階段だけが残されている。
「ミャッ!」
「さんきゅうだよ。さくら~」
ご褒美にほっぺにチュッチュッしてあげた。流石、魔王が持つユニークスキル。半端ないッス。
ほとんどの者がが口を開けたまま固まっている。我に返るとジーっと俺を見つめている。てめぇは俺よりも物を食う……もとい、目は口程に物を言うというが、気にしない。貰えるものは貰う主義なのだ。言いたいことがあるならはっきりと言え。
「……非常識だな」
「どこぞの怪盗だよ」
「俺たちの師匠として恥ずかしいぜ」
こいつら、はっきりと言いやがった……。
ふんっ! 別荘に丁度良いかなって思ったんだよ!
さあ、出発だ。今日中にもう一軒、頂く予定なんで遊んでる暇はない。
階段を降りた所で、更紗さんがレッサーパンダを召喚した。そんなことできるんですか? って聞いたら、逆にできないのか? って驚かれたよ。
おれはJobテイマーを持ってないからな。そんな召喚されたレッサーパンダは、ご主人様ではなく、ニンエイさんとレイアに愛想を振りまいている。
「ダイチとダブって見えるのは、俺がおかしいのか?」
「いえ、間違いなくダイチが二人います。セイさん」
「なんでやねん!」
「す、すまない。うちの子が……」
レッサーパンダのパンくんは魔法(火)が使えるそうだ。今はレイアに抱っこされモフモフされている。どちらも幸せそうだ。ダイチその羨ましそうな目はやめなさい。
ちなみにエターナはリンネとムウちゃんに抱きつかれている。
ということで、ファル師匠チームは西側、おれたちチームは東側の探索だ。
さあ、ヴァンパイアをぶっ飛ばしに行こうぜ。
ついでに屋敷も没収だ!
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