→終盤戦へ
二台の飛行バイクが交錯する。
一方は黒く
「っりゃあ! 届いてっ!」
パークトゥパーク、バロック様式で飾られた高級ホテルの
ひとつの
「Nooooゥ! やるじゃねえかお前ら、
「ありがとう応援ヨロシク!」
バンダナに丸太のような腕をした相手ライダーの
すでにゲームは終盤戦に突入していた。
『さあ、参加者の皆様はポジションの決定をお願いします! すなわち、自らが冒険者、
「今ので何個め!?」
「12個!」
サンシャインはタマゴのカラを座席下に放った。
デバイスの片
ランキングトップはマリー・ピアの33個。かるく倍以上の開きがあった。
『ではここからは各選手への
上位ランキングに表示された選手の
「あーあー、あんなの出されちゃ大体はあっちに入れちゃうよ。マズいなぁ」
げんなりと肩を落とすパラミラ。
トップ20位まで表示されるランキングは、まるでこれが選択肢のすべてだと言わんばかりに大映しになっている。
「うわ、ヤンスの奴ちゃっかり入ってる! しぶとい!」
サンシャインが何気なく見たちょうど20位にその名はあった。
普段なるべく無視していても、こうやって数値で示されると何となく見上げるような気持ちになってしまい悔しい。
「あたしたちもちょっとは伸びてる、け、ど……?」
デバイスに表示される二人の獲得ポイントはジワジワと増えている。それは上位ランキングの一部が数字を止めてからも続いた。
「お、お、これいけるんじゃない? サニー?」
「ジョーク枠なんだわ、あたしたち。本命にいくらか賭けたあと
たまにゴソッと十個ぶんくらい増えるのは
とはいえその上昇速度はランカーのそれにくらべてあまりに微速。
ヒントの開示まで30秒を切っていた。
「遅くなってきた……あ、あ、駄目、止まっちゃう……!」
「見て! ランキングに
15位まで順位をあげたヤンスの5つ下につけて20位。だが。
1位 マリー・ピア 238個
15位 ヤンス 159個
20位 パラ&サニー 148個
この時点でトップとは一回りの差があった。そして数字の上昇が止まる。
「あぁ、駄目だ足りない」
「……っ!」
最終ヒントの開示率は集めたポイントで決まる。約100個の差がどれだけの情報格差となるか分からないが初動で不利になるのは間違いない。
「諦めない! 二人で考えれば効率はあがるわ!」
「……、そうだね、まだまだ」
パラミラがうなだれていた頭を二度、三度と振った。
その手を後ろからサンシャインが握る。と、その直後。
締め切り寸前でランキングが書き変わった。
4位 パラ&サニー 181個
「「……は?」」
『――え』
二人の困惑と実況席の声が重なる。
『こ、れは――2位の宇宙総司令風ジョーンズ選手、まさかの全投資!? 直前までマリー・ピア選手とデッドヒートを展開していたハズですが一体どういう心境の変化か!? それを受け浮上したのは巫女ツインズ〈パラ&サニー〉!』
「何これなにこれどういうこと!?」
「あ、あ、あたしに聞かないで! あたしだって意味わかんない――!」
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