前説-ケトゥス
とある海辺の貧しい村に、打ち上げられた鯨がいた。
その肉に養われた幼子は成長し、やがて機械技師となり、稼業の傍ら鯨のもとに通い続けた。
腐肉をはぎ取り、腸を掻き出し、鉄を括り付け、機構を埋め込み、魔法で骨を鋼の如く固め、脳味噌をバックアップして……
彼は一生をかけて、一体の機械人形を造り上げる。
彼の死後、遺灰は彼の妻と友人の手で機構の隙間に収められた。
そして彼の一生そのものである、『ケトゥス』を棺に海へと葬られる。
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