第4話 西庭のアリス

門をくぐり抜けたその先にあるのは、大きな噴水のある庭。

ここは城の西部にあたり、地下牢の入口に近い。

エクスたちがあたりを見渡し、敵がいないのを確認するとタオを先頭に室内を目指す。

しかしあと一歩、という所で矢が壁に刺さる。

???「この城になんの用なの?」

声をした方を見ると、そこには鏡の国のアリスがいた。

鏡アリス「白雪姫はどうしたの?」

レイナ「白雪姫を倒してここに来たの。あなた達を救いに・・・カオステラーを倒すために!」

鏡アリス「白雪姫を・・・たおし・・・た・・・・・・?」

レイナの言葉に、目玉がこぼれ落ちそうなほど目を見開くアリス。

顔は青白く、手足は震え、息は荒い状態でレイナに向かって弓矢を構える。

鏡アリス「あなたが・・・・・・白雪姫を・・・!」

レイナ「ちょっ!」

エクス「危ない!」

矢が放たれる。

間一髪のところでエクスのおかげで避けることが出来たレイナ。

戦いは避けられないと悟り、導きの栞を構える。

鏡アリス「赦さない・・・赦さない・・・・・・絶対に・・・・・・!」

レイナ「ああもう!行くわよ!」





鏡アリス「みんなを・・・・・・返してよ・・・・・・」

膝をつき、泣きじゃくるアリス。

立派なレディになろうとがんばる姿からは想像出来ないほど弱々しく、幼げに見える。

レイナ「ねぇ、この城にいる女の子・・・どこにいるか知ってる・・・?」

レイナの言葉に目を見開く。

鏡アリス「まさか・・・会うつもり・・・?」

エクス「うん」

鏡アリス「・・・・・・め」

シェイン「はい?」

鏡アリス「だめだめだめ!!絶対だめ!行ったら殺されちゃう!貴方達は強いもの!強くて美しいもの!あの人は絶対貴方達を捉えて傷つけるわ!!」

顔を真っ青にして首を振るアリス。

その表情や仕草からそういった人達をたくさん見てきたのだとわかる。

けれども彼らは行く。この悪夢を終わらせるために。

レイナ「大丈夫よ、私たちは捕まらない。約束するわ」

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