第3話 門前の白雪姫
キュベリエに教えて貰った道を通って城の門前に着く。ここまで何体かのヴィランを倒してきたが、手がかりになりそうなものは見つからなかった。
レイナ「あそこから入ればいいのね?」
シェイン「待ってください姉御、誰かいますよ」
レイナ「え?・・・・・・あれは・・・・・・」
タオ「白雪姫じゃねぇか!?」
白雪姫ーーーー世界一の美少女として生まれ、継母により命を狙われる少女。森で出会った小人に支えられ、王子様と出会ったあと、王妃に真っ赤な鉄の靴を履かせ、死ぬまで踊らせる。しかしその後彼女は毒林檎の王妃となり同じ運命を辿るーーーー
レイナ「どうしてあの子は殺されてないの・・・?」
ファム「分からなけど・・・行くしかないんじゃない?」
レイナ「そうね・・・」
レイナ「ねえ」
白雪姫「誰!?」
レイナ「私はレイナ、調律の巫女よ。ちょっとここに住んでいる女の子に用があるのだけれど・・・」
白雪姫「そう・・・・・・」
白雪姫は小さく呟くと腰に刺していた剣を抜く。
一行はそれに驚くが、白雪姫はお構い無しだ。
射抜くような目線で剣を構える。
白雪姫「貴方達に恨みはないけど・・・・・・死んでもらうね・・・」
エクス「白雪姫・・・!」
クロヴィス「戦うしかないな」
レイナ「みんな!行くわよ!」
白雪姫「うそ・・・負けちゃった・・・」
負けたショックからか、膝から崩れ落ちる白雪姫。手からは剣が抜け落ち、呆然としている。
レイナ「・・・・・・とりあえず、進みましょう」
白雪姫「・・・・・・まって・・・・・・」
先に進もうとするレイナに白雪姫が声をかける。
白雪姫「お願いします・・・・・・この門をくぐらないで・・・・・・この城に入らないで・・・・・・じゃないと・・・・・・あの人たちが・・・また・・・・・・!」
エクス「あの人たちって・・・まさか!」
白雪姫「もういやなの・・・お義母さんのあの声をきくのは・・・・・・ツヴェルクたちのあの声を聞きたくない・・・・・・!」
顔をおおって涙声で懇願する白雪姫。その姿はあまりにも痛々しく、一体どれだけ大切な人が苦しんでいるところを見せられたのだろうか。
レイナ「行くわよ」
エイダ「レイナ・・・?」
それでもなお先へ進もうとするレイナ。その姿にほかの者は戸惑いを見せる。
泣きそうな顔を見せる白雪姫に顔をむけるレイナ。その顔からは強い意志と覚悟が見える。
レイナ「貴方の大切な人達を救うには彼女を止めるしかない。それに大丈夫よ。私たちなら」
エクス「レイナ・・・・・・そうだね、行こう!」
クロヴィス「分かった」
エイダ「了解だ」
ファム「全てはこの魔女におまかせあれ〜」
シェイン「ぶっぱなして行きましょう」
タオ「タオ・ファミリー。喧嘩祭りの始まりだぜ!」
全員が覚悟を決めた顔で門をくぐる。
白雪姫はまるで理解できないとでも言うような声で問いかける。
白雪姫「あなた達は・・・・・・一体・・・?」
白雪姫の問いかけに少し首をかしげたあと、レイナが言う。
レイナ「そうね・・・・・・『お姫様を救う騎士』とでも言っておこうかしら」
そう言ってレイナたちは城の中に入っていった。
残された白雪姫は手を組み、神に祈る。
(どうか・・・あの人たちが無事ですここに帰ってきますように・・・・・・!)
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