精霊使い養成学校

葉月ありす

第1話 同級生と精霊達!

暖かい春の日射し、桜がちらほら舞う季節。

ボクは、今日から通う学校の校門をウキウキしながらくぐる。


精霊使い養成学校 の、入学式!

中学卒業と、ともに入れる専門学校である。

勿論、精霊使いの卵しか入れないが。


ボクは、そんな精霊使いの卵の一人。

白鷺 綺瀬(しらさぎ あやせ)16歳。

空色の髪に、長めのショートカット。

女の子に時々間違われる、顔に蒼い瞳。

ボクは、今、真新しいブレザーに身を包み、

ワクワクしている。


「はぁー、遂にこの時が!楽しみだなー!」

ボクの肩には相棒の精霊、ルーニャが

ちょこんと乗っている。

ネコのような耳に、まぁるこい身体がカワイーヤツだ。ピンクの毛で、しっぽはリスのように太い。

「あやせー、楽しそうだニュ!」

そう、ルーニャは、人語が喋れる。

「楽しみにしてたもん。この日を!」

「ニュニュニュ!あやせは分かりやすいニュ!」

そんな中、校舎に向かい入学式が行われる

体育館に、向かった。


「おーい!綺瀬!」

後ろから声を掛けられる。

振り向くとそこには長身の、少年がいた。

「久留里ー!ここで会えて良かったー。

体育館じゃあ、人多くて分からないもん。」

蒼河 久留里(あおかわ くるり)、

中学の同級生だ。相変わらず紅いロン毛で、

少しワイルドな顔立ちに、銀色の瞳が、

獲物を狙うような目に見える。


こんな、怖い出で立ちだが、中身は いいヤツだ。

「綺瀬は、相変わらずだなー。

顔にもろに喜びが現れてるぜ!」

「はははっ、バレたー?」

久留里の横には彼の相棒の、精霊の

ケイシーがパタパタと、しっぽを振る。

狼に似た姿に紅い瞳。銀の毛並みが綺麗だ。

「キュルー。ルーニャ、おはっ!」

ケイシーは、ルーニャに喋る。

「ニュー!ケイシー!今日も綺麗だニュ!」

二匹?共、メスなので気が合うらしい。

楽しそうに話している。

と、もう一人向こうから女の子が近づく。

「あー!悠璃亜だー。おはよー。」


七瀬川 悠璃亜(ななせがわ ゆりあ)、

同じく、中学の同級生だ。

エメラルドグリーンの長いポニーテールに、

深緑の瞳。かなりの美少女だ。

「あれ、二人とも揃ってたんだ。」

彼女の相棒の精霊は、ディール、人型だ。

だが、ディールは彼女の肩に乗るくらい小さめで、イケメンな青年風だ。

「ほほぉ、皆さんお揃いで。」

ディールは、いつも礼儀正しい。

「ふふっ、皆でまた学校生活なんて

楽しみだなー!」

悠璃亜もワクワクしているようだった。


そう、ボクらは、何も知らなかった。

これから起きる出来事、そして、この学校の

本当の存在意義と、闇を。

そして、嵐にボクらが巻き込まれて

行くことも。

この日には、想像付かなかった。

そう、楽しい学校生活が始まるものと

誰もが思っていた。


穏やかな日々は、やがて音を立てて

崩れて行く。

そして、ボクらは、精霊使いの本当の意味を

知ることになる。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

精霊使い養成学校 葉月ありす @alicehazuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る