「洗脳」の語源

















洗脳は百科事典マイペディアによると、『特異な環境下で一貫した徹底的な教育を行い、従来もっていた思想、信念などを洗い流して新しい思想、信念を植えつけること』とある。


洗脳の語源だが、各辞書の説明は以下。

広辞苑:

第二次世界大戦の一時期、中国の思想改造をbrainwashingと評したものの訳語か

明鏡国語辞典:

第二次大戦後の一時期、中華人民共和国が国民党政府の治下にあった人民に対して行った思想改造を揶揄的に評したbrainwashingの訳語から

百科事典マイペディア:

〈思想改造〉を意味する中国語に由来


洗脳という言葉は生まれてから百年も立っておらず、中国から輸入された言葉である。

ただし、直輸入というわけではなく、一度、洗脳という漢語が、英語でbrainwashingと直訳された後、さらに英語から日本語へ直訳されたようだ。

ずいぶんと回りくどいことをしているが、第二次世界大戦後の日中はほとんど没交渉であったから、仕方のないことである。


当時の時代背景の一例としては、横山光輝の三国志が挙げられる。

この作品は、1971年から1987年にかけて発表された作品なのだが、服装などの描写におかしなところがいろいろとある。

その原因は、漢末から三国時代にかけての資料が中国から手に入らなかったためだ。


漢字は中国から輸入されたものだが、明治維新を迎えると、英語を翻訳した漢字が中国に逆輸入されるようになった。

それから時を経て、「日本より進んだ共産制国家」である中華人民共和国が成立すると、また、洗脳や反面教師という言葉が日本に輸入されるようになったわけだ。

おそらく、今後中国が覇権国家となれば、再度、様々な言葉が日本にもたらされるようになるのだろう。


洗脳はずいぶんと怖い言葉だが、百科事典マイペディアには、『程度の差、手法の巧拙はあれ、あらゆる教育が洗脳である』とある。

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