獲麟




















かくりん。

一、麒麟きりんを得ること

  麒麟は聖人が世に出る前に現れるとされる動物

二、絶筆。物事の終末(日本のみか)

三、孔子の死をいい、転じて臨終の意(日本のみか)

  ちなみに鶴林かくりんは釈尊の死を意味する


「春秋」の最後の記事「西狩獲麟」からの言葉。

春秋は孔子が著した、もしくは手を加えたとされる歴史書。

の哀公の十四年に、西方に狩りして麒麟を獲たとあり、ここから一の用法が生まれた。


また、孔子が「西狩獲麟」の句をもって筆を絶ったことから二の用法ができたとされる。漢字源によれば日本だけの用法のようだが、どうであろうか。


春秋左氏伝によると、捕らえられた麒麟は無知な者の手により不吉な動物として殺されてしまい、それを嘆いた孔子が筆を絶ったとある。

テレビドラマ「孔子春秋」の最終話「捕まった麒麟」は、麒麟が民衆に虐殺されて終わる。そこには、時代をまちがえて現れた麒麟イコール孔子が暗示されている。


なお、漢字源の説明では話が逆で、乱世に麒麟があらわれたことを受け、孔子が春秋の編集に着手したとある。

出典が書かれていないので何とも言えないが、麒麟が殺されたことを受けて啓蒙けいもうのために春秋の編集を思い立った、というのは話としてつじつまが合わぬでもない。

また、孔子が春秋を書いたのに麒麟が感心して現れたという説も紹介している。


参照:広辞苑、新漢語林、漢字源

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