小説の書き方を学びたい人達へ

 今は大学の学部や学科も多様化していて、専門学校も色々あるから、小説の書き方を教えてくれる学校もあるのかもしれない。


 しかし、昔はそんなものはなかった。


 今、そんな学校があったとしても、いろいろな理由から学校に行けない人もいるでしょう。

 そんな人達のために、独学で学べる方法の一つを伝授しましょう。




 そのヒントは「歴史」です。


 Die Geschichte(独), l'histoire(仏),История(露)。

 いずれも「歴史」という意味と、「物語(フィクション)」という2つの意味があります。


つまり、歴史も物語もヨーロッパでは同義なのです。



 文学部の日本文学科や英文科、仏文科等に行っても、研究するのは、ある作家の研究やある時代の作家たちの研究などで、文を書くことは教えてくれません。


 しかし、文学科の「史学科」は文章の書き方を教えてくれます。


 具体的には、ある歴史学者の論文を一つ、或いは複数提示され、それを元に論文を書く、という練習をさせられます。


 自分がどんな時代のどんな歴史を専攻しようが関係なく、任意の時代、文化についての論文が提示され、その史料となるものを摘出して自分オリジナルの論文を書くことを教養課程から徹底的に訓練されるのです。


 つまり、それが「文章を書く」練習です。


 小説を書きたいと思う人は、自分の書きたいものだけを書きますが、それでは「書き方」は磨けないんですね。


 よく、小説を書いてみたいと思っている人の作品を見ると、自分が書きたいシーンだけを書いて満足してしまって、起承転結すら無いものや、物語の流れを進行することばかりに気を取られて、風景描写や心情描写などの「芸術部分」が欠如している作品を見かけますが、そういう人は、「自分が書きたいもの」だけを書いているので、作品としてまとめ上げられていないのです。


 小説を書くためには、書きたいテーマを決めて、その史料を集め、それを元に物語を書いていくのが小説執筆の基本ですが、それの為には自分の趣味や趣向に合わないものでもまとめられないと、優れた文章は書けません。



 私が書いた「SF習作教本」はその史料として役に立つのではないかと、書きました。


 私の作品だけではなく、自分で自分の苦手な分野の資料を集めて、自分の考えや、思い、希望などを表現してみると、文章力がつくと思います。


 よかたら試してみてください。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る