第3話痩せる理由2
「元野球部の動きじゃねーよ」
友人達とバーベキューしていた時、くちくなった腹を軽くするため、草野球をしていた私を見た幼馴染みA(男)の一言です。キレのないドタバタした動き、腰、首、膝に不安があるため思い通りに動けず投球も捕球もバッティングもてんで駄目で、あたかも未経験者かのような私を評したものでした。これでも小中と弱小野球部ではありましたがレギュラーでした。もっと言えば、私に暴言を吐いてくれたAとはバッテリーを組んでいました。うっせーぼけこらかす!ぶち殺すぞくそが!って言い返してやりたかったのですが、流石にマジギレは空気を壊すと思い、尻キックの一発で笑って許してやりましたが、内心はかなりショックでした。傍から見た私は、自分が思っている以上に動けていないということが解ってしまったからです。
腰、首、膝に不安があると上述しましたが、具体的には椎間板ヘルニアです。ご存じの方も多いと思いますが、バクっと症状を説明すると、背骨の腰部の椎骨と椎骨の間の軟骨が変形して飛び出し、神経を圧迫することから生じる痛みや痺れのことです。環境やら遺伝やら加齢やらが原因で発症するそうですが、私の場合は無茶なトレーニングと遺伝的体質によるものだそうです。簡単に痛みや痺れって書きましだが無茶苦茶に辛いです。単純な痛み、辛さでいうと私の経験上、金的に続く第二位です。痛み止めを飲もうが打とうがあまり効果を感じたことはありません。痛みのピーク時は立っていようが寝ていようが座っていようがとにかく痛い、呼吸をするだけで辛い時もあります。日常生活を送るだけでも症状が生じることもありますが、運動、特に私の場合は走ったり瞬間的に力を入れると、あっアカンってなることが多く、自然と体を動かすことが減りました。
ここで悲しい負の連鎖が発生します。運動、トレーニングをしなくなることにより筋力が低下します。筋力が低下することによって腰、首の負担が増加し痛み、症状が悪化します。痛くて動けないのでさらに筋力が低下して、また痛み、症状が悪化します。さらに加えて、筋力の低下、すなわち筋肉量の低下は基礎代謝の低下を招き、太り易い体質になっていきます。体重の増加は体への負担の増加を意味し、より症状の悪化を招くということです。
太ることはヘルニアを悪化させるだけではなく様々な体調不良も誘発します。私の場合は睡眠時無呼吸症候群と脂肪肝です。詳しくは割愛しますが、睡眠が上手くとれなくなりました。寝ても寝ても疲れが取れず、常に体が怠く、集中力が欠如します。また単純にイビキが馬鹿みたいに大きくなり、彼女や友人から同じ部屋で寝ることを拒否されることが多々ありました。後輩の家に泊めてもらった時、朝起きたら部屋には私だけで不思議に思い電話したところ、余りにもイビキがうるさかったので彼女の家に避難していたなんてことがあったくらいです。
この太ることよる弊害は身体だけに影響を与えるモノでありません。副次的に精神にも悪影響を与えます。デキムス・ユニウス・ユウェナリスは「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と唱っていますがおっしゃるとおりだと思います。体にどこか痛いところがあれば気分は落ち込みますし、やる気も起きません。(本来の意味からは誤用、興味のある方は検索してみてください)ましてや、痛みが長期間続く、治ることがないなんて状態だと気分は落ち込んだまんまで、明るい人が暗くなるというように性格にも影響を及ぼしかねません。私の場合もそれに当たると思います。太って体調が悪くなる前と比べて明らかに外に出ることや人と関わることが煩わしくなりました。
単純に太ったことで周りからいじられることも増えました。太る以前はいじられるなんて余り経験したことがなく、いじられることにかなりストレスを感じます。
長々と書きましだが要は、太り過ぎると体も心もしんどい。痩せなあかん!ということです。
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