雨村梨香 ⑧
文章を目で追うのが疲れるくらい読書に没頭していると、約一時間半が経った。雨村は購買からまだ動いていない。ずっと立ちっぱなしだったのでふくらはぎが痛い。館内は講義終わりの生徒が雪崩込み、すっかり騒々しくなった。
そろそろ花月に連絡をしても支障はないだろう。そう思い、雨村が購買にいること情報交換アプリを使って彼女に伝えた。
メッセージを送って五分が過ぎた。俺の送ったメッセージに、まだ既読はついていない。講義はもうとっくに終わっている時間だった。花月が何をしているのか、想像しながら返事を待つ。
しかし、さらに十分、二十分と待っても、俺が送ったメッセージに既読がつかなかった。花月に何かあったのだろうか?
結局、その日の内に花月と連絡を取り合うことはできなかった。
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