第117話 戦乙女の矜持
初夏とは思えないほど冷え切った夜であった。
ミリアは、腕のなかで寝息を立てる我が子をいとおしげに見つめた。
やけに熱く感じるのは、まだ熱が下がりきっていないためだ。
懸命に生きている証でもある。馬車に揺られながら、ミリアはちいさな身体をそっと抱き寄せた。
だいぶ老けて見えるが、まだ十七の娘だ。
近くの村に嫁いだのが二年前のこと。実家とおなじように、嫁いだ家もやはり貧しい農家だった。
それから一年あまりのち、ミリアは男の子を産んだ。
ヨゼフと名付けられたその子は、苦しい日々の生活のなかで唯一の希望だった。
すくすくと育っていたヨゼフが病を得たのは、一歳を迎えてまもない頃だ。日を追うごとに悪化していく病状は、医学についてはまるで無知なミリアにも、我が子が患っているのがたんなる風邪ではないことを理解させずにおかなかった。
――
吐き捨てるように言った夫に逆らい、ミリアはヨゼフを連れて家を飛び出した。
そして、親戚じゅうに頭を下げ、ようやくまとまった金を工面すると、近隣に聞こえた名医のもとに向かったのだった。
あとすこし遅かったら助からなかった――年老いた医師はそう言いながら、若い母親を責めようとはしなかった。
ひどく荒れた手を見れば、何も言わずとも、普段どんな生活を送っているのかは分かる。
医師の側もまた、貧しい人々がそう簡単に彼らの門戸を叩けない現実を知っているのだ。
老医師はヨゼフの診察を終えると、手ずから調合した頓服薬をたっぷり半年分はミリアに持たせた。もしこれで治らなければ、次は診療代なしで診てやるという、たのもしい言葉を添えて。
「よかったねえ、奥さん」
御者台に座った恰幅のいい男は、振り返らずに言った。
男は商人であった。帝都の得意先に品物を届けた帰り道、とぼとぼと夜道を歩く母子とすれちがい、見かねて馬車に乗せたのだ。
「あの先生の薬はよく効くんだ。うちのボウズも赤ん坊のころに助けてもらってね。その子もすぐによくなるさ――」
言いさして、商人はなにかに気付いたように前方に目を凝らした。
「なんだ、ありゃあ……?」
異変は街道を外れた山林のなかで起こっていた。
動物が争っているのかと思ったが、それにしては様子がおかしい。
木々がもつれあって倒れ、金属同士を叩きつけるような異様な音が響いてくる。森のなかに鍛冶場がふいに出現したようであった。
むろん、こんな場所に鍛冶場などあるはずもない。
「どうかしたんですか?」
「分からん……だが、嫌な予感がする。道を変えたほうがいいな」
商人が来た道を引き返そうとしたそのときだった。
凄まじい衝撃が馬車を襲った。
山林から飛来した何かが馬車をしたたかに打ったのだ。世界が一回転したかと錯覚するほどの激しい振動は、しばらくしてようやく収まった。
「いったいなにが――」
ミリアが状況を把握しようと身を乗り出した途端、首のない身体がどさりと御者台からすべり落ちた。
その傍らに鮮血を浴びて突き立っているのは、ゆうに一抱えはありそうな木の幹だ。
あわれな商人はどこからか飛来した幹の直撃を受け、一瞬のうちに絶命したのだった。
しかし――なぜ?
悲鳴を上げるかわりに、ミリアは腕のなかの我が子をきつく抱きしめていた。
逃げなければ。
この場所から一刻も早く離れなければ。
なにも分からないが、なにか恐ろしいことが起こっていることだけは確かだ。
身のうちに沸き起こった恐怖に命じられるまま、母子は暗闇のなかへと駆け出していった。
***
「なんなのよ――この馬鹿力!?」
イセリアは後方に飛び退きながら、いまいましげに呟いた。
体躯はざっとイセリアの倍以上はあろう。
身長三メートル近いヘラクレイオスよりも、さらにひと回り以上大きい。
赤と緑のまだらに彩られた巨人は、木々を薙ぎ倒しながらイセリアに肉薄する。
大斧と砲を使わないのは、どちらもイセリアとの戦いで被ったダメージから回復していないためだ。
だが――ふたつの武器を封じられても、戎装巨兵の戦闘能力はいささかも減じていないようだった。
巨大な身体は、それだけで強力な武器になる。
繰り出した拳打や蹴りの一つひとつが、軽く掠めただけで巨木をへし折り、大地を陥没させるほどの威力を持っているのだ。
さしものイセリアもまともに受け止めるのは危険と判断して、ひたすら回避に徹している。
「あんまり調子に乗ってるんじゃないっての――!!」
戎装巨兵が腕を突き出した瞬間、わずかに隙が生じた。イセリアはすばやく脇の下に身体を滑り込ませると、渾身の力をこめて右拳を叩き込む。
並の
刹那、風を巻いて巨拳が迫った。
すんでのところで躱したイセリアは、信じられないものを見るように眼前の敵を見上げる。
脇腹にまともに拳を叩き込まれたにもかかわらず、戎装巨兵は平然とそびえている。
それもそのはずだった。
積層した装甲は合体する前とは較べものにならないほど分厚く、外部から加えられた衝撃のことごとくを吸収してしまう。イセリアの拳が与えたダメージは装甲表面に留まり、内部器官にはなんの影響もない。
「いつまで逃げ回っているつもりだ?」
巨人は呆れたように言った。
レヴィとラケルの声が入り混じった奇怪な声であった。
「時間稼ぎをしようとしているなら、無駄なことだ。私に姑息な手は通用しない」
「言われなくてもすぐ終わりにしてやるわ!!」
イセリアは腰を落とすと、その姿勢のまま猛然と突進する。
狙いは脚だ。
体躯こそ並外れているものの、二本の脚で自立しているのは戎装巨兵も一般の戎装騎士と変わらない。
これだけの巨体ならば、脚部にかかる負担も相当なものになるはずだ。
どちらか一方の脚を潰せば、大重量を支えきれずに自壊するのは自明だった。
いま、イセリアは戎装巨兵の右足首を破壊すべく、捨て身の突撃を仕掛けたのだった。
分厚く堅牢な装甲も、関節までは及んでいない。持てる力のすべてを叩きつければ十分に勝機はあるはずだった。
――捉えた!!
イセリアが心中で快哉を叫んだ、まさにそのときだった。
戎装巨兵の脚は、大樹を思わせる見た目に反して軽やかな動きをみせた。
レヴィとラケルはそれぞれ半身の制御を受け持っている。互いの受け持つ領域がはっきりしている分、危機に対する反応は機敏そのものだ。巨体になったことで注意がおろそかになるどころか、反応速度は合体する前よりも目に見えて向上している。
戎装巨兵はイセリアの攻撃を一髪の差で躱すと、すかさず反撃に移る。
繰り出したのは、いたって飾り気のない蹴りであった。
無造作に脚を前に突き出しただけといえばそれまでだ。目を見張るような技巧もなければ、華々しい能力の発現もない。
ただ、二人分の大質量を最大限に活かした桁外れの破壊力があるだけだった。
その凄まじい威力は、直撃を受けたイセリアが五十メートルあまり吹き飛び、完全に静止するまでにさらに二十メートルちかい距離を必要としたことからも窺える。
衝撃と轟音が過ぎ去ったあと、山林のただなかに現れたのは、巨人の鋤でざっくりと抉られたような深い溝であった。
「やってくれるわね――」
溝の終端で、イセリアはゆっくりと身体を起こす。
強気な口調こそ常と変わらないが、どうやら自慢の重装甲も無事では済まなかったらしい。
四肢を覆う武骨な装甲はところどころひび割れ、赤黒い液体が滲み出している。頭から爪先まで泥土にまみれた黄褐色の身体にあって、点綴された赤い色はひときわ目を引く。
暗闇にうっすらと浮かびあがった凄絶な立ち姿は、黒血にまみれた戦鬼を思わせた。
イセリアを見下ろしたまま、戎装巨兵はゆっくりと近づいてくる。巨体が地を踏みしめるたびに空気がふるえ、梢が揺れる音が静謐な夜の山林に染み入っていく。
「まだ生きていたのか? ……大した防御力だ」
「このあたしがそう簡単にやられると思ったら大間違いよ。この程度で勝った気になってもらっちゃ困るわね!!」
「だが、その傷では二度目はない――次で終わりにしよう」
やはり二人が入り混じった声で冷淡に言い放つと、戎装巨兵は右腕を高々と振り上げる。
イセリアの目の前で巨人の指先が形を失っていく。絡み合うように溶けた五本の指は、巨大な刃へと変じていた。
大斧への変形は不可能でも、より単純な形状の武器ならば再現出来るらしい。文字通りの手刀であった。
いずれにせよ、直撃を受ければ致命傷となることには変わりない。
イセリアはふらつきながらも後方へ大きく飛びずさる。いったん間合いを置いて仕切り直そうというのだ。
遠ざかっていく黄褐色の騎士を追って、戎装巨兵も前進する。
巨人が右腕の刃を振るたび、山林にぽっかりと空隙が生じていく。
進路上の木々はいずれも幹の半ばから消失し、みごとな断面の切り株を並べている。
まるで雑草でも刈るみたいな何気ない動作。邪魔な植物を排除しているという点はおなじだが、破壊の規模は桁違いだ。
切り飛ばされた幹は、傍らの木々に激突するだけでなく、はるか彼方まで飛ばされていったものも少なくない。
そのうちの一本がたまたま近くを通りがかった不運な馬車を直撃していたとは、むろん戦いの当事者にとっては知る由もないことだ。
果ての見えない後退を続けるうちに、ふいにイセリアの周囲の木々が途切れた。
山林を抜けたのだ。
背後には収穫期を控えた田園が間近に迫り、その手前には街道が線を引いたみたいにまっすぐ伸びている。
開けた場所に出たのは、イセリアにとって必ずしも不利とはかぎらない。障害物がなければそれだけ敵の動きを読みやすくなるからだ。
イセリアが後退を打ち切り、ここを決戦の場所に選んだのは、むろん勝機があればこそであった。
戎装巨兵を迎え撃つべく、体勢を立て直そうとしたその瞬間だった。
「こ……来ないでください――」
とっさに振り返ったイセリアの視界に飛び込んできたのは、怯えきった黒い瞳。
そして、そこに映った自分自身の姿だった。
***
「あ……あの……」
ミリアはほとんど気死したような面持ちでイセリアを見つめている。
両腕はきつく我が子を抱きすくめているが、無意識の恐怖まではどうにもならない。
数メートル先に立つ異形は、本来見えも触れもしないはずの死の概念が形を取ったようだった。
「おねがいします……私は、私はどうなってもかまいませんから、ヨゼフは……この子だけは、どうか――」
いまにも消え入りそうなか細い哀願。震える声は、十七歳の母親がしぼり出した精一杯の勇気の賜物だ。
「馬鹿っ!!!!!!」
黄褐色の異形が発したのは、まぎれもなく人間の声だった。
自分とさほど歳の変わらない少女の声で怒鳴りつけられ、ミリアはおもわず目を白黒させる。
しかし、鋼鉄の怪物としか思えない存在が、まさかこんな蓮っぱな言葉遣いで語りかけてくるとは。
「あんた、なんでこんなところにいるのよ!? あの音が聞こえなかったの!?」
「あの、あのっ……私……」
「『私』じゃない!! 喋ってる暇があったら、さっさと逃げなさい!! ここにいたら死ぬわよ!!」
怒声とともに、イセリアは来た道とは正反対の方向を指差す。
すっかり気が動転していたミリアは、ようやく正気に戻ったようだった。
知らず知らずに戦場へと近づいていった愚かさを痛感するとともに、死の恐怖に支配された瞳に希望の色が差し込みはじめた。
「さあ、分かったなら、振り返らずに走ること!! 立ち止まったりしたら、あんたもその子も助からないわよ」
「た、助けてくれるんですか?」
「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行く!!」
噛みつかんばかりに急かすイセリアに、ミリアはそれ以上何も言い返せなかった。
深々と頭を下げると、その場でさっと踵を返す。
腕のなかのヨゼフが火がついたような勢いで泣き出したのはそのときだった。病を得てからというもの、生気なくぐずるだけだった赤子は、イセリアの叱責を受けて泣くことを思い出したようであった。
「……子供、落とすんじゃないわよ。拾って届けてなんてあげないから」
背中に投げられたイセリアの言葉に、ミリアはもはや何も言わなかった。
ただ、自分にできる精一杯の速さで駆けていっただけだ。
それこそが自分と我が子の身を守るために最善の行動であり、異形の少女が望む答えだという確信があった。
「まったく……」
言いかけて、イセリアはため息を飲み込んだ。
大ぶりな土塊がミリアの立ち去っていった方角へと飛来するのを認めたためだ。
イセリアは垂直に跳び上がり、土塊に拳を叩きつける。
安堵する暇もなく、砕け散った土と石をかきわけてなにかが迫ってくるのがみえた。
赤と緑が入り混じった巨腕であった。
「しまった――!?」
体内に推進器を持たないイセリアには、空中で姿勢を変える術はない。
巨大な掌が胴体を包んだのは次の瞬間だ。
イセリアは為す術もなく掴み取られたまま、戎装巨兵の胸の高さまで持ち上げられていく。
「どうしてあの人間を助けた?」
身動きの取れないイセリアにむかって、戎装巨兵は二人の声で問うた。
「無視していればこんなことにはならなかった。それとも、あの人間を助けることで、おまえに何か利益があるのか?」
「……はあ?」
イセリアはふんと鼻を鳴らす。馬鹿な質問をしているとでも言うように。
「利益なんてある訳ないでしょ」
「では、なぜ――」
「あたしがそうしたいからそうしただけよ!!」
イセリアは笑いながら言いのける。
「あたし、子供ってうるさくて好きじゃないけど。だからって、目の前で死なれたらもっと気分が悪いじゃない。あたしはあたしのやりたいことをやるだけよ!!」
「理性ではなく感情か。おまえの戦闘能力は評価するが、頭脳はまるで問題外だ」
「上等!!」
叫ぶが早いか、イセリアは両腕に力を込める。
めきめきと耳障りな軋りを上げて、五指の拘束がほどけていく。イセリアの膂力が巨人の握力を上回ったのだ。
「あたしの仲間にもボーッとしててなに考えてたんだか分かんない娘がいるけどね。あんたたちと違って、なにが大事かくらい分かってるわよ!!」
イセリアは掌を踏み台に飛び上がると、勢いもそのままに戎装巨兵の頭部に蹴りを見舞う。
先ほどの意趣返しとでも言うように、ありったけの力を振り絞った蹴撃であった。
イセリアの足首は、ちょうど下顎にあたる部分を正確に打ち抜いていた。
人間であれば頚椎を砕かれ、確実に即死に至っている。
脳や頚椎といった弱点を持たない戎装騎士も、これだけの衝撃を加えられては無事では済まないはずだ。
それを証明するように、巨体はおおきく傾ぎ、崩折れるように仰向けに倒れた。
イセリアはなおも追い打ちをかけるべく、倒れた敵にむかって急降下する。
「ああ――やはり強いな」
ラケルが心底からの感嘆を込めて言った。
「――そして、やはり問題外でもある」
レヴィはあくまで冷然と言い捨てる。
戎装巨兵は、左腕をイセリアに向かって掲げる。
破壊されたはずのその先端から不可視の光芒が迸ったのは、イセリアの右腕がまさに戎装巨兵の胸を貫くという瞬間だった。
「――――っ!!」
イセリアは反射的に真横に飛ぶと、もんどりを打って地面に転がった。
とっさに右腕の肘下に目をやる。ほんの数秒前まで黄褐色だった装甲は、人骨を彷彿させる白色に変じていた。
動かそうにも思うに任せないどころか、末端からぼろぼろと崩れ落ちていく。
これほどの惨状にもかかわらず、痛みも熱さも感じないのがかえって恐怖を倍加させた。
「無」を投射された結果だ。周囲の物質との摩擦により、瞬時に超高温に達したイセリアの右腕は、痛みを感じることなく炭化しきったのだった。
「あんたたち、もう武器は使えなくなったはずじゃ……」
「そのとおり。まだ完全には再生していない――そう。完全には」
ふたたび二人の声に戻ると、
「しかし、二人分の再生力を割り振れば、この程度のことは可能だ」
戎装巨兵はイセリアを睥睨し、こともなげに言った。
大斧を再生させるためのエネルギーを砲に集中させることで、この短時間に部分的とはいえ機能を回復させたのだった。
「あまり時間の猶予がない。すでに予定よりもだいぶ遅れている。これ以上手間取るとヘラクレイオスたちとの合流に差し支えるかもしれない」
「回りくどいわね。はっきり言ったらどう?」
「おまえを殺すということだ」
イセリアは立ち上がろうとして、脱力したように膝を突いた。
自分の意志とは無関係に戎装が解けていく。
これまでの戦闘で蓄積したダメージが少しずつ身体を蝕み、もはや戎装体を維持することが出来ないほど追い詰められた結果だった。
もっとも、よしんば戎装が解けなかったところで、傷ついた身体で戎装巨兵の追撃から逃れることは不可能だったはずだ。
「覚悟は出来たか」
「冗談――あたし、こんなところで死ぬつもりないわよ」
「残念だが、すでに決定済みだ。今さら異論は受け付けない」
二色の光がイセリアの頭上でまたたいた。
冷厳な死の宣告を受けても、イセリアはなおも食い下がる。
「まだ行ってみたいところも、食べてみたいものも、着てみたい流行りの服だっていっぱいあるんだから!! あたしまだやりたいこといっぱいあるし、だいたい処女のまま死ぬなんてお断りよ!!」
「なにを訳の分からないことを言っている――」
吐き捨てるように言ってから、戎装巨兵は砲をイセリアに向ける。
まだ完全には機能を取り戻していないとはいえ、ゼロ距離での射撃はそれを補って余りある効果を発揮する。イセリアの身体を灰燼に帰すには十分すぎるほどだ。
イセリアは目を逸らそうとはしなかった。最後の一瞬まで生にしがみつくように、敵を睨めつける瞳は鋭さを失っていない。
不可視の光条が放たれる直前、轟音が天地を貫いた。
戎装巨兵の左腕が爆ぜ、発射寸前のエネルギーが夜空にでたらめな樹形図を描く。
はるか上空から急降下してきた何者かの仕業だと知れたのは、破壊される一瞬、夜闇に輝く翼を認めたためだ。
まばゆいばかりの
翼の持ち主は軽やかに着地すると、イセリアと戎装巨兵のあいだに割って入る。
「――危ないところだったね、お姉ちゃん」
「あ、あんた!! どうしてここに……!?」
「心配だから様子を見に来たんだよ。間一髪で間に合ってよかった」
エウフロシュネーはイセリアを庇うように立ちはだかると、
「ここからは私に任せてほしいな。……そういうことだから、覚悟してね? おふたりさん」
自分よりはるかに巨大な敵にむかって、高らかに宣言したのだった。
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