第83話 四騎結集

 アレクシオスはゆっくりと目を開いた。

 視界のほとんどを埋めるのは、燃えさかる炎と黒煙。

 しんと静まり返った廃墟のなかで、ぱちぱちと何かが焼け落ちる音だけがやけに大きく響く。

 アレクシオスはあたりを見渡すと、廃木材の山に埋もれていた身体を起こした。

 爆心地から十メートルほど離れているため、かろうじて延焼は免れている。

 あのとき――

 シュラムの傍らにいたアレクシオスは、直後に起こった爆発の衝撃をまともに受けてここまで吹き飛ばされたのだった。

 戎装は解けている。おそらく無意識のうちに解除したのだ。

 (……やってくれたな)

 身体じゅうにおびただしく付着した埃と煤を払うアレクシオスの背後で、ふいに床板が鳴った。

 振り向くと、イセリアとオルフェウスの姿がある。

 すでに戎装を解いているのはアレクシオスとおなじであった。

 荒れ果てた室内と、いまなおあかあかと燃える炎にただならぬ事態が生じたことを理解したのか、イセリアは一目散にアレクシオスに駆け寄ってくる。

 「アレクシオス! 大丈夫!?」

 「……大したことはない。それより、親王殿下は見つかったのか?」

 問われると、イセリアは口ごもり、首を横に振った。

 「この中にはいなかったか。どうやら、奴の言っていたことは本当らしい」

 アレクシオスはイセリアとオルフェウスにそれぞれ目配せすると、

 「ふたりともよく聞け。奴らの一味から情報を聞き出すことができた。親王殿下と元老院議長は浜辺の廃屋に捕らわれている。――もう時間がない、急ぐぞ」

 先頭を切って走り出していた。

 広大な製材所を駆けるうちに、出入り口と思しき鉄扉が目に入る。

 アレクシオスが力任せに蹴破ると、潮風に晒されて劣化しきった扉は、まるで紙細工みたいにあっけなく吹き飛んでいった。

 一同は製材所の外に出た。目の前にはハマダイコンの生い茂る野原が広がっている。

 と、上空から凄まじい速度で近づいてくる影がある。

 ほとんど垂直と言っていい急角度で降下すると、はげしく砂を巻き上げて着地する。

 おもわず身構える三人だったが、それも一瞬のことだ。

 「よかった――無事だったんだね、お兄ちゃんにお姉ちゃんたち」

 蒼翼の戎装騎士はまたたく間に人の姿へと変じると、花のほころぶような笑顔をみせた。

 「エウフロシュネー! あんた、こんなところで何やってんのよ!?」

 「何って、べつに遊んでたわけじゃないよ。私だってちゃんと仕事してたんだから」

 「仕事ぉ?」

 なおも何か言いたげなイセリアを退け、アレクシオスはエウフロシュネーの前に立つ。

 「いいところに来てくれた。エウフロシュネー、空から廃屋を探してくれ。この近くにあるはずだ」

 「そのくらいならお安い御用だけど、どうして?」

 「……エンリクス殿下がそこに監禁されている。敵が最期に言い残したことだが、今はそれを信じるしかない」

 エウフロシュネーはこくりと頷くと、ふたたび蒼い装甲をまとった異形の騎士へと変わる。

 背中と胸の吸入口が大気を取り入れ、同時にアレクシオスのそれとは比較にならない巨大な出力をもつ推進器が作動しはじめる。周囲に季節外れの陽炎がゆらいだ。

 「分かっていると思うが、見つけても迂闊に手出しはするなよ。必ずおれたちに教えてくれ」

 「分かってるよ、お兄ちゃん!」

 ちいさく手を振って、有翼の騎士は夜空へと舞い上がっていった。


 扉が小さく軋んだ。

 エンリクスは鉄仮面の男が戻ってきたことを知ると、びくりと肩を震わせる。

 このまま二度と戻ってこなければいい――

 先刻ラベトゥルの背を見送りつつ抱いた淡い希望は、ついに現実にはならなかった。

 部屋のなかでは依然として黒ずくめの怪しげな男たちがエンリクスの監視に当たっている。拘束され、みずからの意志では立ち上がることも思うに任せないエンリクスには願うことしかできなかった。

 そんな少年のけなげな心のうちを見透かしたように、

 「おやおや、親王殿下――私の言いつけどおり、お行儀よくしていましたか?」

 ラベトゥルはエンリクスに近づくと、慇懃な、しかしあきらかに蔑みと嘲笑を込めた声音で言った。

 おもわず顔を背けようとしたエンリクスの顎を掴み、強引に目を合わせる。

 「少々予定が狂いましてね。場所を移さねばならないのです」

 ラベトゥルは小動物を弄ぶみたいに、エンリクスの幼いながらも整った鼻梁や耳朶をねぶる。

 「もちろん、あなたたち二人も連れて行きます。なにしろ大事な人質ですからね。いずれ処分するにせよ、使えるうちは役に立っていただきますよ」

 「……殺しなさい」

 「ほお、なんと?」

 エンリクスの口をついて出た言葉が意外だったのか、ラベトゥルは興味深げに反問する。

 少年は持てるかぎりの勇気を振り絞り、仮面の男を見据える。

 「殺しなさいと言ったのです! 私は皇帝イグナティウス・アエミリウスの、そして元老院議長デキムスの孫です。生命よりも誇りを守ることを選びます!!」

 「これはこれは――幼いながらも実に立派な心がけだ」

 ラベトゥルはわざとらしく拍手をしてみせる。

 「さすがは『帝国』を統べる一族と心からの喝采を送りたいところですが、それならなおさら簡単に楽にしてさしあげる訳にはいきません。あなたも議長閣下も、できるだけ長く苦しませてから殺してあげますよ」

 エンリクスはなおもラベトゥルから目を逸らさない。

 まだ年端も行かない幼子とはいえ、皇帝の血脈に連なる者としての自覚ははっきりと芽生えている。だれも頼れる者のないこの状況で、エンリクスにとってそれはたったひとつの心の拠り所でもあった。

 「いいことを思いつきました――ここを出たら、手始めにあなたの顔の皮を剥ぎ取り、耳と鼻を削ぎ落としてあげましょう。私がされたことをそっくり返すのです。変わり果てたあなたの姿を見たら、大好きなおじいさまや叔父上はどんな顔をされるでしょうね?」

 「いくら脅されても、怖くなんてありません」

 「脅し? ――まさか」

 ラベトゥルの哄笑に、エンリクスの押し殺した悲鳴が重なった。

 いつのまに取り出したのか、ラベトゥルは小刀をエンリクスの右耳に当てると、すっと引いたのだ。

 傷口にぷっくらと血の球が膨らみ、やがて耳たぶを伝って落ちた。

 刃は薄皮一枚を切り裂いたにすぎない。

 それでも、凶器の冷たい感触はエンリクスに恐怖を与えるには十分だった。

 いま少し力を込めれば、子供の耳などはあっさりと落ちるだろう。

 「私が本気だということが分かったでしょう? 早く馬車に乗りなさい。すぐに出立します」

 じんと沸き起こる物理的な痛み。あとわずかで身体の一部が永遠に失われていたと思うと、血が凍っていくような寒気がこみ上げてくる。

 それはエンリクスにとってまったく未知の恐怖だった。

 こうなってはもはや気丈に振る舞うことなど出来るはずもない。

 乳飲み子のころから『帝国』の後継者として大切に守り育てられ、あらゆる危険から遠ざけられてきたのだ。流血や痛みへの耐性を持ち合わせていないのも当然だった。

 すっかり意気沮喪し、がっくりとうなだれたエンリクスを見て、ラベトゥルは仮面の下で酷薄な微笑を浮かべる。

 エンリクスを立ち上がらせようとしたところで、ラベトゥルはかすかな振動を感じ取った。

 次の瞬間、激しい破壊音とともに右手の壁面が崩れた。

 より正確に言うなら――外側から力任せに打ち破られたのだ。

 信じがたい光景に、室内の誰もがおもわず息を呑む。

 煉瓦造りの堅牢な壁はそう簡単に破壊できるものではない。まるで積み木を崩すみたいにたやすく打ち砕いてのけたのは、想像を絶する膂力のなせる業であった。

 壁に穿たれた大穴の向こう側でまたたく光がある。

 真紅、黄褐色、蒼、そして漆黒――

 それぞれ異なる色彩を闇に浮かべながら、異形の騎士たちは廃屋の内部に踏み込んでいく。

 「全員そこを動くな!! 皇太子ルシウス殿下の命により、エンリクス殿下と元老院議長を返してもらう!!」

 アレクシオスはラベトゥルと黒装束の男たちに槍牙を向け、大喝する。

 ルシウスの名を耳にした途端、暗く沈んでいたエンリクスの双眸に光が戻った。心のどこかで抱きつづけていたかすかな希望は、いま現実のものとなって少年の前に現れたのだった。

 「今すぐお二人を解放しろ。もう貴様らに逃げ場はない。死にたくなければ、無駄な抵抗はやめることだ!」

 「そのとおり! あんたたち、いい加減に年貢の納め時よ!」

 アレクシオスに便乗するように、イセリアもラベトゥルを指差しながら啖呵を切った。

 そして、すぐ隣のオルフェウスの脇腹を肘で小突くと、自分に続くよう催促する。

 「ほら、あんたも何か言いなさいよ!」 

 「その子を放してあげて。苦しそうだから……」

 オルフェウスは訥々と呟いただけだった。相変わらず無機質で抑揚に乏しい声には、しかし有無を言わさぬ迫力が宿っている。

 「みんなだけずるい! 私にも言わせてよ! ――こそこそ隠れてたみたいだけど、私の目は誤魔化せなかったみたいだね! 潔く諦めたほうがいいよ!」

 と、エウフロシュネー。

 「これはこれは、お揃いで――」

 四人の騎士たちを前にして、ラベトゥルの仮面の下から漏れ聞こえてきたのは、あきらかに場違いな声だった。

 絶体絶命の窮地にあって、ラベトゥルは呵々と笑ってみせたのだった。

 「貴様、狂ったか? なにが可笑しい!!」

 アレクシオスが訝しげに問うたのも当然だった。

 この状況で笑うなど、正常な神経の持ち主であればまず考えられないことだ。

 「あなたたちは私を追い詰めたと思っているようだが、追いつめられたのははたしてどちらでしょうね?」

 「なに?」

 「いいものを見せてあげましょう」

 言って、ラベトゥルは火寸マッチを擦る。

 それに同調するように、背後に控える黒装束の男たちも同じく火寸を擦った。

 ほのかな灯りを頭上に掲げ、何かを指し示すように人差し指を天井に向けて立てる。

 指の向けられた先――天井に吊り下げられたものを認めて、アレクシオスははっと息を呑んだ。

 導火線で結ばれた火薬袋がいくつも連なり、天井をびっしりと覆っている。その総量は、先ほどシュラムが自爆に用いたものよりはるかに多い。

 仮にすべてが誘爆した場合、廃屋は跡形もなく消し飛ぶだろう。そうなればむろんエンリクスも助からない。

 「ルシウス・アエミリウスを殺せなかったのは無念ですが、少なくともエンリクスとデキムスはここで死ぬということです。それで『帝国』に深刻な痛手を与えられるなら、私の生命などは安いもの」

 「貴様、正気か?」

 「もちろん――私はこの国に復讐するために今日まで生きてきたのです。すでに死人も同然のこの命で悲願が叶うなら、これほど喜ばしいことはない」

 ラベトゥルは恍惚とした声音で恐るべき言葉を紡いでいく。

 「なんだか知らないけど、そんなに死にたいなら望みどおりにしてやるわ!」

 「待てイセリア! 迂闊に動くな!!」

 アレクシオスはイセリアを手で制しつつ、オルフェウスとエウフロシュネーにもちらと視線を送る。 

 今すぐにラベトゥルと黒装束の男たちが持つ火寸を奪い取れば誘爆の恐れはなくなる。

 しかし、もしひとつでも天井に達すれば、その瞬間にすべては終わるのだ。

 それはあまりに危険な賭けだった。

 「……なさい」

 そのとき、ほとんど消え入りそうなほどの小声でエンリクスが呟いた。

 「なんですって?」

 聞き返したラベトゥルの顔を真正面から見据え、

 「叔父上……いいえ、皇太子殿下に代わって命じます――私に構わず、この者たちを倒しなさい!!」

 エンリクスははっきりと言い放った。

 年端もいかぬ子供でありながら、その声はたしかに帝王としての威厳を帯びている。

 そして、そのまま捕縛されたままの身体を大きく反らし、ラベトゥルの腕にありったけの力で噛み付いてみせる。

 「おのれ、小童――よくも!!」

 ラベトゥルは声を荒げて叫ぶ。

 先ほどまでの余裕と冷静さは嘘みたいに消え失せ、声音には隠しようもない怒りがにじみ出ている。

 怒りに任せて天井に火種を投じようとした、まさにその瞬間であった。

 「オルフェウス、たのむ!!」

 アレクシオスはほとんど縋るように少女の名を叫んだ。

 言い終わるが早いか、オルフェウスは真赤色の風となって疾走を開始していた。

 音も光もない領域に入る直前、オルフェウスはすでにみずからが進むべき軌道の計算を完了している。

 加速の最中、美しい騎士はあくまで機械的に駆動する。

 万物を無に帰す”破断の掌”を起動し、男たちが手にした火寸マッチを文字通り消滅させていく。

 やがて、凍てついた時間がゆるやかに溶け出す。

 オルフェウスは室内を一巡し、元の位置に戻っていた。

 すべては一瞬前と何も変わらないようにみえる。

 ただ、ラベトゥルと黒装束の男たちの手首ごと火寸マッチが消え失せていたという一点を除いては……。

 「――!!」

 切断面から血が吹き出すと同時に、ラベトゥルと男たちは声にならない叫びを上げる。

 それも無理からぬことだ。ほんの一秒前までたしかに存在していたおのれの肉体の一部がごっそりと消え失せた衝撃は計り知れない。

 痛みに耐えかねたのか、ラベトゥルの身体がエンリクスから離れた。

 その隙を騎士たちは見逃さなかった。

 アレクシオスはラベトゥルに、オルフェウスとイセリア、エウフロシュネーは黒装束の男たちに猛然と飛びかかる。

 黒い装甲に鎧われた指がラベトゥルの喉を掴み、傍らのテーブルに叩きつける。

 四人の騎士たちは数秒と経たぬうちに制圧を完了していた。

 騎士のなかでは最も非力な部類に入るオルフェウスとエウフロシュネーも、大人の男を苦もなく組み伏せる程度の膂力は持ち合わせているのだ。

 「おまえたち、死にたくなければ妙な真似はするな! ――親王殿下、ご無事ですか?」

 アレクシオスはラベトゥルを締め上げつつ、エンリクスに問うた。

 目の前でめまぐるしく展開する事態を飲み込みかねているのか、エンリクスは強張った表情のまま、ぎこちなく肯んずるのが精一杯であった。

 アレクシオスはふたたびラベトゥルに向き直る。

 「言え――元老院議長はどこにいる」

 「私が素直に教えるとでも?」

 「このまま首をねじ切られたいなら好きにしろ」

 言って、アレクシオスは五指にかかっている力をわずかに増大させる。

 騎士にとって人間の頸骨など魚の小骨に等しい。指先だけの力で圧し砕くのは造作もないことだ。

 だが、生殺与奪をアレクシオスに握られてなお、ラベトゥルは悲鳴ひとつ上げずに不気味な沈黙を保っている。

 アレクシオスもこれ以上力に任せた尋問を続けても無駄と判断したようであった。

 「エウフロシュネー! 他の部屋を探せ!」

 「分かったよ! お姉ちゃん、こっちはよろしく!」

 エウフロシュネーは答えると、押さえ込んでいた黒装束の男をイセリアに放る。

 蒼い後ろ姿が闇に消えると、ラベトゥルはくくと奇妙な声を漏らした。押し殺した笑い声であった。

 「くだらん強がりはよせ。貴様らはもう終わりだ」

 「終わり? いいや、違う。私が斃れたところで何も終わりはしない。これは始まりなのだから」

 「なんだと?」

 胡乱げに問うアレクシオスに、ラベトゥルはぎょろりと血走った目を向けた。

 「驕り高ぶった『帝国』に盲従する心なき走狗たちよ。裁きの時はまもなく来る。そうだ、これは始まりにすぎない。この腐りきった国の終わりの始まりだ!」

 ラベトゥルは福音を語るがごとく、恍惚たる声色で言葉を紡いでいく。

 「黙れ!」

 「いずれおまえたちは知るだろう。――」

 アレクシオスは力任せにラベトゥルを床に組み伏せる。

 激しい衝撃によって鉄仮面が外れ、焼け爛れた素顔があらわになる。

 「――ゼーロータイ」

 唇の溶け落ちた口角を吊り上げ、ラベトゥルは嗤った。

 それは、まさに死にゆく者だけに許された凄絶な笑みであった。

 皮膚のない顔貌に不敵な笑みを刻み込んだまま、ラベトゥルはぴくりとも動かなくなった。

 「しまった――こいつ、毒を!!」

 アレクシオスが気づいたときにはすでに手遅れだった。

 奥歯に仕込まれた毒薬は全身を駆け巡り、ラベトゥルの生命を奪い去っていた。エフィメラ特製の劇毒は、調合者が世を去ったのちも十全の効果を発揮したのだった。

 前もって毒を仕込んでいたのはラベトゥル一人だけではないことは容易に想像がつく。

 「イセリア! オルフェウス! そいつらには毒を飲ませるな!」

 振り返りつつ、アレクシオスは叫ぶ。

 イセリアとオルフェウスは黒装束の男たちの口を開かせようとするが、ついに服毒を阻止することは出来なかった。いかに神速の騎士であろうと、ひとたび血潮に乗った毒には打つ手がない。

 「こっちはダメね。もう死んじゃってるわ」

 「……私も、ごめん――」

 イセリアとオルフェウスはともに首を横に振る。

 アレクシオスは二人を責めるでもなく、ただラベトゥルが今際の際に残した言葉を反芻していた。

 ――ゼーロータイ。

 初めて耳にする言葉であった。

 はたしてそれが何を意味するのか、アレクシオスには見当もつかない。

 やけに耳にこびりついて離れないのは、ラベトゥルが浮かべた悽愴な笑みのためでもあろう。

 ほどなくして、エウフロシュネーがデキムスを連れて戻ってきた。

 全身に生々しい拷問の跡が刻まれているが、見たところ生命に別状はないようであった。

 騎士たちに伴われ、傷ついた祖父と孫は廃屋を出る。

 つい先刻まで一帯を包んでいた濃密な闇はすっかり薄れ、景色はすこしずつ白みはじめている。

 水平線の彼方におぼろげな暁光がにじんだ。

 仄白い光を浴びて、異形の騎士たちの甲冑はそれぞれの色に輝きはじめる。

 やがて人の姿へと戻ったかれらは、ゆっくりと歩き出した。

 長い夜の果て、戻るべき場所へと――。

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