第25話 だんらん

 夕食後の召喚で、受け取った交換日記と食器を母に渡す。


 「はい。ひろからの交換日記よ。」

 「まぁ!もう、書いてくれたの?」


 母が楽し気に読み出す。

 「私も見ていい?」

 「ダーメ。これは、ひろちゃんとかーさんだけのひみつ~。」

 「え~。どうしてもダメ~?」

 「ダメよ~。」

 「じゃー。どんなこと書いてあるかだけでも、教えてよ~。」

 「ん~。仕方ないわね~。

 怖い事あるけど、元気にみんなと楽しくしてるって!」


 「怖い事か…。フイルムも受け取ってるけど、どうしよう?」

 「うーん。りく君のこともあるし、おとーさんに相談してからにしましょ。」


 「そうそう。明日には街につくって。」

 「やっと、安全なところなのね!」

 「うん!時間も20分溜まってるし、いつでも、ひろを護れるよ。」


 「ただいまー!!」


 ドタドタドタ!


 父が私に抱きつく。

 「千代!危ない目にあったんだって?!平気か?平気なのか?!」

 「うん…。」


 「心配してたんだぞ。昨日は本当に飛んで帰りたかった。」

 「平気。心配してくれてありがとう。」

 「大変な時に、地方に行ってて…。すまん。」

 「お仕事大事だもん。とーさんのいじゃないよ。そうそう、今、とーさんに話したいことがあったの。」

 「ん?なんだい?」

 「写真屋のりく君が…。」


 弟の写真に興味をもっちゃって、写真屋を繁盛させるために、弟子にしてほしいって言ってたことを話す。


 「なるほど。なるほど。確かに異世界の写真はCGみたいだもんな。弟子は無理だが、風景写真を写真屋で使ってもらったらどうだ?」

 「いいの?」

 「異世界の写真を見た人が何か情報をくれるかもしれないしな。ま。街の写真屋から集まる情報なんて、あってないようなもんだろうけどな。」

 「フフフ。そうよね。今の時代はデジカメだものねー。」


 「かーさん。話もいいが、何も食べずに帰ってきたんだ。」

 「はいはい。今すぐ、用意しますね。」


 「千代。ひろがお世話になっている人たちに、饅頭もたくさん買ってきたぞ。」

 「ありがとう!みんな喜ぶわ!」

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