第22話 若さゆえの過ち

 15時にチャイムがなる。

 ピンポーン♪


 「はーい。」

 ネット注文したカップラーメンかな?


 ドアを開けると同級生のりく君が立っている。


 「よぉ。」

 「ん?こんにちは。何?」


 「その…。あの…。」

 おぉーっと?!これは、アレよね?告白よね?ふ~ん。りく君って、私の事が好きだったのかぁ~。ふふ~ん♪

 「な、何よ。」


 「い、一世一代の事なんだ。焦らせないでくれ!」

 「わ、わかったわ。」

 そ、そこまでの事、言っちゃうの?!


 「「…。」」

 ドキドキ


 「で、弟子にしてください!」


 「「…。」」


 「は?」

 うん。なんか、違う言葉が聞こえたきがした。


 「弟子にしてください!写真のネガを現像するとき、天才だと思ったんだ!CGとか使ってるのは、分ってるんだけど…。すげぇ!ってすげぇ!って、」

 「ちょ、ちょ、ちょ!ちょっと待って。」

 私の乙女心どうしてくれるのよ!今日の昼の事といい…。あ~~!!もう!


 「いや、その!知ったお客の情報を持ち出しちゃいけないのは、わかってるんだ。でも、実家の写真屋を盛り上げようと思ってた時にお前の写真見て!」

 「…。」

 なんだろう。いろいろめんどくさい…。


 「たのむ!このとーりだ!」

 「ムリ。」

 うん。どうにか、できる事じゃないし。


 「いや、そこを何とか…。」

 「ムリ。」


 「ちょっとくらい、考えて…。」

 「ムリ。」


 「ただいま~。あら?りく君。久しぶり。どうしたの?」


 「「…。」」


 「お、お久しぶりです。ま、また来ます!」


 りく君はそそくさと去っていった。


 「あら?あらあら。」むふふ

 母も私と同じ勘違いをしたらしい。


 事の詳細を話したら、「結婚する覚悟があるんなら話していいけど、ひろちゃんの命が危険にさらされるのはダメよ。」との事だった。


 うん。まったくもって、これっぽっちも、ないない。

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