第18話 子を捨てる母

 緊急姉召喚発動。


 【パッシブ】・弟感知

 【肉体条項】・弟近接時、ステータス +5倍

 【感知条項】・弟敵意時、敵のステータスを看破

 【特殊条項】・弟危害時、≪冷酷無情れいこくむじょう≫発動

 00:05:59


 青の月のあかりの中、みんなは小さな洞穴で寝ている。

 よくよく見ると、看破したステータスが寝ているみんなの周りに無数に浮かび上がっている。


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【ステータス】

 チャイルドジャイアントスパイダー

 レベル3

 睡眠の牙で相手を眠らせ、ゆっくりと捕食する。

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 (キャー!って、叫びたい!キャー!って、叫びたい!蜘蛛くもよ!)


 「みんな起きて!」

 私は、槍を振り回し、ペットボトルサイズの蜘蛛をみんなから弾き飛ばす。


 「Zzzz。ちよねー。Zzzz。」

 「Zzzz。もぉ、くえねぇよ。いや、あと3つカップラーメンくぅぜ。Zzzz。」

 「だー。Zzzz。唐揚げだー。まだまだ食うだー。Zzzz。」


 「起きてよ!食い意地すごいわね!」

 「千代。うるさいのー。」

 「ルルちゃん!たいへん!おっきな蜘蛛がみんなに張り付いてて!」

 しゃべりながら、次々に蜘蛛を弾き飛ばし、洞窟の壁に叩き付ける。


 「わ?ジャイアントスパイダーの子供なの。」

 「ルルちゃんは平気?!みんなが大丈夫かわかる?!」

 「ルルは、薬草臭かったから、噛まれなかったみたい。みんなは、少し噛まれてるけど、明日には目をさますの。」

 「よかった…。これで、最後の一匹!」

 00:00:59


 「最後じゃないの。みて、子供に糸がついてるの。マザージャイアントスパイダーがどこかで、狙ってるの。」

 「ってるなら、大丈夫!みんなをお願い!」


 私は、洞窟の外に飛び出し、周りにを見渡す。


 近くの木。


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【ステータス】

 マザージャイアントスパイダー

 レベル23

 毒の牙で相手を弱らし、睡眠の牙で眠らせ、糸で束縛してゆっくりと捕食する。

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 「ステータスで、見え見えなのよ!」

 (キャー!って、叫びたい!キャー!って、叫びたい!バスタブサイズの蜘蛛くもよ!)


 「えい!」

 ガキッ!

 「えい!」

 ガガ!


 (技術条項がないから?全然当たらない!って!強い!)


 「キシャァァァ!!!」

 ガシガシガシ!


 「もう!あんたみたいなの知ったら、おかーさん、また、倒れちゃうじゃない!えい!えい!」

 ガキッ!ガキッ!


 尻から飛ばしてくるチャイルドジャイアントスパイダーを薙ぎ払い、口から出す粘液をよけ、槍を振り回す。

 「てー!」

 ザクッ


 【特殊条項】・リミット3秒時、線香花火せんこうはなび発動


 「てえぇい!」

 足を一本斬り飛ばす!

 「やぁ!」

 足を三本斬り飛ばす!

 時間がない!


 「キシャァァァ!!!」

 「こなくそぉーーーーーー!」

 マザージャイアントスパイダーの胸に飛び込み、槍を力いっぱい突き上げる!


 ザクッ!!!

 パシィ…ン

 ぶしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!


 救急箱を持った父が、心配そうに声をかける。

 「大丈夫か?怪我はないか?」

 「何でもないよ。うん。大丈夫。」


 父が私をそっと抱きしめる。

 「震えてるじゃないか。一人でかかえこまないでくれ。」

 「ごめんなさい。心配かけたくなくて…。」

 「心配させろ!それが、親の生きがいなんだから!」

 「…ありがとう。」


 (大丈夫。倒したはずよ。アレが、きっと魔石をくだいた感じ。大丈夫。)

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