第13話 ニラレバ炒め

 私は21時に、言い争いの声で目を覚ました。

 数日の間、ほとんど寝むれていなかった反動でかなり寝てしまった。


 「どうしたの?おかーさん。」

 「聞いてよ千代。おとーさんったら、こんなにカップラーメン買ってきて!おかーさんの料理が食べたくないなら、食べたくないって言ってくれればいいのに!」

 「だから、違うんだよ。」

 「何が違うのよ!今日は、みんなのために、精がつくように、ニラレバ炒めにしたのに!」

 「ママ。ママ。ちょっと、落ち着いて。とーさんの言い分も聞こうよ。」


 ふんす。


 「ありがとう。これは、だな。千代が呼ばれないときも、保存食があった方がいいかなぁ~って、思ってだな。」


 まぁ!


 「そうなら、そうと、言ってよ。もう!」ぱちん。

 「ははははは…。」いつつ


 何?このバカップル。あ、親だ。


 その後、夕食を食べていると、椅子の下に、魔方陣が現れる。


 【パッシブ】・弟感知

 【肉体条項】・弟近接時、ステータス +5倍

 00:13:59


 振り返ると四畳半ほどの洞穴に、光の玉が2つ浮いている。


 「ロッサちゃん。この光は?」

 「これはな。生活魔法の≪ライト≫だ。この光だと、魔物に見つかりにきぃんだ。」


 「へー。ひろは、体の具合どう?」

 「とぅ!たぁ!へいきー!」

 うん。レベルの影響なのか、凄い動きをしている。

 「病み上がりなんだから、あまり、動いちゃだめよ。」

 「わかったー。」


 「夕飯持ってきたよ。あと、保存食のカップラーメンも持ってきたから、食べ方説明するね。」


 「ドッタ君。食事並べておいて。カップラーメンの説明しちゃうね。パッケージを開けて、調味料とかあるのは入れちゃって、お湯をいれて。ふたをしめる。あとは、3分なんだけど、時計ってないよね?」

 「3分って、なんだ?」

 「いーち。にーぃ。さーん。って、180まで数えることだよ。」

 かわいい!カップラーメンの誤差なんて、大したことないしオッケーよ。

 「よし。作るぜ!」

 「お湯は?」

 「生活魔法の≪ウォーター≫で、熱々の湯出せばいいんだろ?」


 ≪ウォーター≫

 ジャブジャブジャブ。もわもわ。

 蓋が開かないように、石をおく。


 「魔法って、便利ね。」

 「生活魔法だから、大量には出せねーけどな。」


 「そろそろ時間もったいないから戻るね。食器片すときに、ねーね。呼んでね。」

 「うん!わかった…。ママ。ママは元気?」


 【精神条項】・弟悲哀時、ステータス +5倍


 私は、弟をしっかりと抱きしめる。


 【肉体条項】・弟接触時、ステータス +10倍、姉弟回復


 「ママもとーさんも、ひろのために、元気に頑張ってるよ。ねーねも家族が一つになれるように頑張るから!」


 居間で食事中の母と父。

 「ひろが別れ際に、会いたいって。」

 「「・・・」」


 もぐもぐ。

 ニラレバが苦いなぁ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る