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やがて、スライムの体からヌッと手のような粘液が伸びてきて、パドスが持っている棒に絡まった。



その後、すぐに二本、三本と、新たな粘液が、こんどはパドスの体に巻きついてきた。



こうなってしまっては、もう身動きが取れない。



パドスはスライムの体に引き込まれていくのを待つだけだった。



「パドス!」リヌクは、顔の一部だけが、かろうじてスライムの体から出ている状態で叫んだ。



パドスの体は、粘液に引っ張られてスライムの体に貼りついた。



そのとき、スライムの体から出ていたリヌクの顔は、完全にスライムの体内へ引き込まれてしまった。



スライムの体に張り付いたパドスは、なんとかここから抜け出そうと手足をばたつかせながら、そのリヌクの様子を見ていた。



しかし、もがけばもがくほど、パドス体はスライムの体内に引き込まれていく。



スライムの粘液でパドスの顔が埋め尽くされようとしたそのときだった。



激しい震動が起こった。



同時に、スライムの体全体は、真っ赤に染まっていった。



赤い粘液がスライムの体から大量に飛び出してくる。

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