80
やがて、スライムの体からヌッと手のような粘液が伸びてきて、パドスが持っている棒に絡まった。
その後、すぐに二本、三本と、新たな粘液が、こんどはパドスの体に巻きついてきた。
こうなってしまっては、もう身動きが取れない。
パドスはスライムの体に引き込まれていくのを待つだけだった。
「パドス!」リヌクは、顔の一部だけが、かろうじてスライムの体から出ている状態で叫んだ。
パドスの体は、粘液に引っ張られてスライムの体に貼りついた。
そのとき、スライムの体から出ていたリヌクの顔は、完全にスライムの体内へ引き込まれてしまった。
スライムの体に張り付いたパドスは、なんとかここから抜け出そうと手足をばたつかせながら、そのリヌクの様子を見ていた。
しかし、もがけばもがくほど、パドス体はスライムの体内に引き込まれていく。
スライムの粘液でパドスの顔が埋め尽くされようとしたそのときだった。
激しい震動が起こった。
同時に、スライムの体全体は、真っ赤に染まっていった。
赤い粘液がスライムの体から大量に飛び出してくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます