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この大きさから考えると、短剣で一刺ししたくらいでは、その心臓部に届きそうもない。



いつの間にか、リヌクの体は、斬りつけたときに飛び散るスライムの体液で覆われていた。



剣で斬りつけるほど、自分の身に害が及ぶという皮肉な状態で戦っていたのだ。



それでも、斬りつけたスライムの体は深くえぐられていた。



リヌクの腹を見ると、さっき自らナイフで刺した部分から絶えず血が流れ落ちている。



剣を動かし続けている腕の動きも次第に鈍くなり、意識もはっきりしなくなっていた。



リヌクは、疲れた腕で、力いっぱい短剣の刃をスライムに入れると、グシャという音が聞こえた。



それは、今まで斬りつけた音とは違うものだった。

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