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その生き物は、どこかで見たことがあるものだった。
近づくにつれて、その正体がはっきりしてきた。
それはスライムだった。
しかし、そのスライムは、この前見たものとはまったく異なっていた。
高さが三メートルはあろうかという巨大なスライムだったのだ。
「死ぬときまで仕事をさせる気か」リヌクはふらつきながら立ち上がった。
左手は自分の腹に突き刺さっているナイフにかかっている。
その手は震えていて、力が入っていることが分かった。
リヌクは、うなり声を出しながら腹のナイフを抜いた。
石になりかけている右足を一歩前に踏み出そうとしたが、その足はなかなか持ち上がらず、バランスを崩し、ひざを折りながら前のめりに倒れた。
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