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リヌクは、苦しそうに肩で息をしていた。
「タバコはなかったよ」
パドスは、リヌクさらに近寄ろうとした。
「来るな」と、リヌクは言った。
「どうしたんだよ?」
リヌクは、自分の腹を両手で押さえていたが、その部分は血で赤く染まっていた。
リヌクが、腹に当てた両手を少し動かすと、そこからナイフが見えた。
「何をしてるんだ?」と、パドスは言った。
「何も、何も言うな」リヌクは、うなだれた頭を持ち上げることなく言った。
「でも……」
「もう、こうなってしまったら石になるのをじっと待つだけだ」
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