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リヌクは息苦しそうに口を開き、額からは大量の汗が流れていた。
「どうしたんだよ」パドスは、その異変にすぐに気づいた。
「パドス、俺はもうだめだ」リヌクは、自分の腰の部分に手を回した後、何かを地面に投げ出した。
それは、死の風から身を守ってくれる魔よけの砂が入った袋だった。
パドスも同じ袋をリヌクからもらっていた。
しかし、そのリヌクの砂袋は破けていて、なかの砂はもうなくなっていた。
「いつ破けたんだよ?」とパドスは聞いた。
「さあな。スライムと戦ったときかもしれないが……」
パドスは、腰に下げた自分の砂袋を取り出し、リヌクに差し出した。「さあ、これを」
「いや、それは、お前のものだ」
「だけど……」
「もう、遅い」リヌクは、自分の足を軽くたたいた。
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