第69話 旅立ち 55

「この森を夜通るのは危険だ。あそこで休もう」と言って、リヌクは近くの岩場を指差した。



パドスは、その岩場までラバを連れて歩いた。



リヌクもその後ろから足をひきずりながらついていく。



それから、二人はその岩場で少し休むことにした。



* * *



焚火の光がちらちらと二人を照らしている。



リヌクはそこで何も話さず、うずくまっていた。



パドスも、薄い布をかけて焚火の近くで横たわっている。



夜明けまでは、少し時間があった。



パドスの頭の中は、さっきの大火事の光景がフラッシュバックとしてよみがえってきた。



次から次へと襲ってくる記憶が、眠りを妨げた。



ふと気づくと、リヌクのうなり声が耳に入ってきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます