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後方には、火が燃え盛っているが、いまパドスがいる場所は、ちょうど、その火の海を抜け出したところにあった。
自分の右肩を見てみると、小さな炎が服から上がっていた。
パドスは、その肩を地面につけて、火を消した。
正面を見ると、そこにはつながれたラバがいる。
ラバは生きていたのだ。
「よく生きていたね」と微笑みながら、ラバを繋いだロープを解いた。
ラバの近くにある荷車には、猫のリルもいた。
リルを抱くと、ギャーという鳴き声をあげた。
鳴き方は変わっているが、喜んでいるのだ。
パドスは、ラバの手綱をつかんでゆっくり進みだした。
この先には、もう火は見えない。
暗闇をとぼとぼ歩いていると、少し先に人影が見えた。
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