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「もう生きているかどうかわからんぞ」
そのリヌクの言葉に、パドスは何も答えなかった。
そして、パドスは火のなかへ二、三歩踏み出して、また立ち止まり、「逃げて」と一言リヌクに言った。
その後、さっきかぶっていた焦げた上着をかぶって火の中へ駆けていった。
火の燃える音とともに、身を溶かすような熱気がパドスに伝わってきた。
火はすぐに上着に燃え移った。
上着に火がついたままの状態で突っ走っていたパドスだったが、火が燃え移っていることに気づくと、上着を脱ぎ捨てた。
目の前には、ちょうど火と火の間にわずかな空間ができている。
その空間に向かってパドスは走った。
火のなかを走っていたが熱さなど感じる余裕はなかった。
パドスは、火のないわずかな空間に滑り込むと、地面に倒れこみ、体を小さく丸めた。
自分の呼吸の音だけが耳に響いてくる。
少しして、冷静さを取り戻したパドスは、辺りを見回した。
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