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パドスは、荷車の上にある石のおじいさんにしがみついたままだった。



リヌク一人だけを伴ってラバは歩きだした。



車を引いていた今までとは違い、身軽になったラバは石をぴょんぴょんと跳び越えて、あっというまにリヌクとともに小さくなって見えなくなってしまった。



取り残されたパドスは、その場にひざまずいた。



生あたたかい風が吹いてきた。



その死の風はパドスの先に進もうとする意思を鈍らせた。



それでも、パドスは立ち上がり、荷台の取っ手をつかんで引っ張った。



鋭い石に引っかかった車輪は、ギシギシと音を立てているが、回る様子はない。



後ろから荷車を押してみても、同じだった。



ラバの力でも無理だったものを、子供が引けるわけはない。



力尽きたパドスは、その場に膝を折って座り、静かに目を閉じた。



そのまま、彼は眠ってしまったのであった。



そのままときが過ぎ去っていった。

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