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一見すると岩の塊のようだが、それは粘着質の肌に砂や岩がくっついているからだった。



見かけによらず動きは速いので油断すると知らない間に背後から攻撃されることもある。



スライムは体の粘液を移動させながら向かってきた。



リヌクがスライムとの距離をとりながら、その周りをゆっくり歩いていると、パドスが桶を持って帰ってきた。



「持ってきたよ」



と言って、パドスは水の入った桶をリヌクへ手渡した。



「よし」



リヌクは、桶を受け取ると、その水をスライムに向かって浴びせかけた。



その水によって、スライムの体についた砂や岩は溶け出すように落ちていった。



落ちた部分からは、透明な粘着質の液体が姿を現した。



「気をつけなければならないのは、あの粘液だ。それがかかっただけでは死ぬことはないが、肌がただれる」



リヌクは、その透明な部分を見ながら説明した。



水がかかった部分からは、どろどろの液体が流れ落ちている。

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