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パドスは、リヌクの言うとおりに、ラバの手綱を離して、一人でなにごともなく橋を渡りきった。
「よし、それじゃ、私がラバをこっちに連れてくるから、お前はここで待っていなさい」
リヌクは、ゆっくりとまた来た橋を戻って、ラバのいる場所までたどり着いた。
ラバの手綱を握り締めて、橋の上を歩き出すと、ラバも一歩一歩足を動かす。
それと同時に、引いている荷車の車輪ももギシギシと音を立てながら回りだした。
ようやく、橋の半分ほどまで来たときだった。
板が割れるような音がして、橋の一部が崩れ落ちはじめた。
崩れた場所は、ちょうど荷車の車輪の部分だった。
車輪の三分の二ほどが崩れて穴が空いた橋板の下からでていて、車輪の残りの部分がかろうじて板の部分に引っかかっているような状態だった。
荷車を引いているラバには、今まで以上の負荷がかかり、ラバは一歩も動けない状態だった。
このままだと、橋がさらに崩れると同時に、ラバと荷車が橋下の川の激流に飲み込まれてしまうのは時間の問題だった。
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