16

また、地球と同じ春夏秋冬の季節もあった。



この世界の時間の流れは、ほとんど地球と同じだったのだ。



陽は高く昇り、ちょうど正午の時間になろうとしていた。



リヌクとパドスは、石のおじいさんを乗せた荷車をラバに引かせながらこの村を出発した。



猫のリルが後方から走ってきて、ぴょんと跳ね上がって両方の前足をパドスの背中の両肩に引っ掛け、ぺたりとくっついた。



両方の後ろ足も左右に大きく開いていたので、それはまるで天日干しされたアジの開きのような姿であった。



「その猫、いつもそんな格好でしがみついてくるのか?」と、リヌクは、額の傷をさすりながらパドスに訊いた。



「うん。あまり歩くの好きじゃないみたいなんだ」



そんな格好でしがみついているほうが疲れるのではないかとリヌクは思った。



数分ほど歩いたところに、人の形をしたたくさんの石があちらこちらに散らばっていた。



それを見たパドスは、足を止め、その石のもとに駆け寄っていった。

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