5
少年は、ベッドに横たわっている石になったおじいさんを見つめた。
「おじいさん?もうお前のおじいさんは石になってしまったんだ」
「石になっても、おいらのおじいさんなんだ」
「気持ちはわかるが」
リヌクは、天井を見ながら考え込んだ。
ここから一番近くの町までは、約二日かかる。
この少年一人だけであれば、一緒にラバに乗ってなんとか次の街にたどりつくことができるが、石になった人間を運ぶとなると、これは大変な作業だった。
その道のりも安全ではなかった。
死の風は、多くの怪物たちを呼び寄せる。
この周辺の地域も死の風を影響を受けていて、最近では怪物たちの姿を見かけることも少なくはなかった。
「馬はいるか?」とリヌクは少年にたずねた。
「馬? もう死んじゃったよ」と少年は答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます